FishTech - Photographs of Fishing Techniques
漁業技術の画像集・FishTech


著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
Compiled by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan

協力者/水産大学校助教授 深田耕一
in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan


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    第 1 部
    11 簡単な漁法
    16 磯見・鉾突き
    16-11 磯見・鉾突き( 1 )



    No.1
    [No.1: image11-16-11-001.jpg]

    No.2
    [No.2: image11-16-11-003.jpg]

     海が静かなときに、岸の極く近くこのような船が見られる。これは磯見・鉾突き漁業を行っている漁船である。

     左手で櫂を操作し、「箱眼鏡」で海底を覗きながら、右手で種々の漁具を扱う。海底で発見したウニ・ナマコ・ アワビ・サザエのような移動性の少ない無脊椎動物や、海藻類を漁獲する。

    No.3
    [No.3: image11-16-11-005.jpg]

     同じような漁場で、このような漁船を見かけるが、これは素潜り漁業である。

     同じような生物を漁獲するが、磯見・鉾突きと異なる。前者は海底にいる生物を(どちらかといえば老人が) 船の上から見つけ、船の上から獲る漁法であり、後者は(若者が)海底で生物を探し手掴みで漁獲する漁法である。

    No.4
    [No.4: image11-16-11-007.jpg]

    No.5
    [No.5: image11-16-11-009.jpg]

    No.6
    [No.6: image11-16-11-011.jpg]

     「磯見・鉾突き」に使われる漁船を示す。

     No.5とNo.6では船外機を備えるが、これは漁場との往復に使われ、漁場では櫂が使われる。

     No.4では手前の船の右舷船尾に、箱眼鏡が見られる。右側の船には漁具を載せてある。漁具はNo.8について説明する。

     No.5では右舷に漁具が見られる。左舷船尾は、No.1に示したような姿勢を長時間続けやすいように削ってある。

     No.6は帰港直後の磯見・鉾突き漁船である。右舷には各種の漁具が見られ、左舷には櫂が見られる。



    No.7
    [No.7: image11-16-11-013.jpg]

     箱眼鏡を示す。箱眼鏡とはこのようなもので、底にガラスを張ってある。

     左手で櫂を扱い、右手で漁具を扱うので、箱眼鏡は口に咥えられる。そのために、使い込まれた箱眼鏡は、 咥える側が減っており、反対側は額で抑えるためにゴムを張ってある。

    No.8
    [No.8: image11-16-11-015.jpg]

    漁具は使う人によって異なるが、その一例を示す。

    (1) 左上に鎌が見られる。3m以上の柄がついており、ワカメ等を刈取るために用いられる。

    (2) 3m以上の柄の先には鉄製の部分があり、少し開いて3本に分かれる。先に捲いてあるゴムの位置を、 水中で発見したサザエやウニの大きさに合わせて調節する。これで上から押させると、先は開き、 緩めると閉まって発見された生物は漁獲される。

    (3) 四角の長いカシ棒でできた柄の先に、細長い2枚の鉄板が付いた漁具である。左に見られる楔(クサビ) を2枚の鉄板の間に挟んで広げる。この鉄板はしなやかで、発見したアワビの近くの海底に上から押しつけると、 先は海底の岩に沿って水平になる。それをアワビの下にさし込む。楔をはずすと、アワビは挟まれて漁獲される。

    (4) 先は3本に分かれ、上からナマコ等を突き刺す。

    (5) 鎌でワカメ等を刈取る。

    (6) 海藻を刈取ったり、小動物を海底からはがすのに使われる。

    (7) (2)と同じであるが、沈め易くするために、鉛の錘がついている。

    No.9
    [No.9: image11-16-11-017.jpg]

     No.8の柄の部分を示す。左には先のない柄だけを束ねてあるが、これは1本の柄だけでは長さが不足するときに 継足すためである。柄は竹製が多いがFRP製もあり、先に示したアワビ返しのようにカシの角棒のこともある。

    No.10
    [No.10: image11-16-11-019.jpg]

    No.11
    [No.11: image11-16-11-021.jpg]

     これは、他の人が使う道具の組を示す。このように使う道具の組み合わせは人によって異なるが、基本は似ている。


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