一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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地球温暖化による千葉県「幕張の浜」の海岸浸食と砂浜の消失

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東京湾奥の湾岸沿いに位置する3つの人工海浜「幕張の浜」(千葉県立幕張海浜公園内)、
「検見川の浜」、「稲毛の浜」(稲毛海浜公園内)のバード・アイ・ビュー。

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人工海浜「幕張の浜」の風景。画像左端にZOZOマリンスタジアムがある。

3
「幕張の浜」で見られる美しい砂紋。


画像1は、東京湾奥の湾岸沿いに並ぶ3つの人工海浜の航空写真である(出典: 「千葉ポートタワー」の展望室に 掲示される展示パネルより)。画像左から千葉県立幕張海浜公園内にある「幕張の浜」、次いで「検見川の浜」、稲毛海浜公園内の「稲毛の 浜」の各海浜である。それら人工海浜の総延長は4.5kmほどで、日本最長という。

観音崎とその対岸の富津岬とを結ぶ東京湾口線よりも北側にある東京湾内には自然海岸はほとんど残されていない。あるのは、 産業・都市開発などのための埋め立て、あるいは港湾施設などの建設の結果としての垂直型舶用岸壁や護岸の人工海岸だけである。 東京湾岸の地先水域は埋め立てするには産業・都市開発の立地上好都合であった。この埋め立てによって、地域としても、 また日本全体としても、計り知れない経済・社会的恩恵を享受してきた。他方で、ほとんど取るに足らないごくわずかの人工海浜が 湾奥に造成されてきた。無いよりもましという程度にであろう。

経済的に豊かになった都民・市民は、人工海浜に満足しないのか、遠方の沖縄、ハワイ、プーケット、 オーストラリアへと、美しい白砂の自然海岸を求めて国内外に遠出する。東京湾岸の埋め立てによって失われる自然海岸を等価的に近接地域で 復旧すべく代替の砂浜海岸が造成されるべきという理論がもてはやされた時もあったが、実行は皆無に近いものであったといえよう。

ところで、21世紀末には地球の平均気温は、20世紀末に比してセ氏何度上昇するのであろうか。 2018年4月12日付けの日経新聞によれば、千葉県が政府関係機関によって公表されたデータなどを調査分析した。その結果として、 千葉県銚子市の平均気温は最悪の場合、21世紀末にはセ氏20度となり、20世紀末に比して5度近く上昇すると予測されるという。 千葉県で5度も上昇する場合の世界の平均気温はいくら上昇することになるのか。凄まじいことになろう。 南極大陸、グリーンランド、北極などの氷(大陸氷河、氷床、海氷など)はどれほど融解し、世界の平均海水面は何メートル 上昇するのであろうか。

また、同新聞に記載される千葉県の予測では、九十九里浜では21世紀末には20世紀末に比して砂浜が90%縮小するという。 九十九里浜を含む県東部全体では砂面の40−90%が消失し、東京湾のそれについては40−80%が消失すると予測されるという。

画像2を見れば明らかのように、人工海浜・幕張の浜の砂面幅は4、50メートルであろうが、砂面の内陸側にある少し高めのデューン (dune)手前に広がる砂面の高低差は1メートルあるかないかである。海面が1メートル上昇すれば、砂面は絶えず浸食を受け、砂浜はほぼ 消失することになろう。莫大な経費をかけて「 T 」字型突堤(グロイン T-type or T-shaped groin)を数百メートルおきに 建設するという対処療法的施策は果たしてどれだけ意味のあることなのであろうか。

海浜浸食対策は千葉県だけでない。日本および世界中で求められることになろう。南太平洋諸国などの陸地高度が数メートルしかない環礁 では、その国土浸食・水没の拡大という危機に直面する。特に太平洋の真ん中では、月の引力の影響が加わるので海水の膨張は さらに大きくなり、海水面の上昇は一層高まりそうである。今世紀は間もなく2020年を迎える。温暖化効果ガスのさらなる排出削減が絶対的 不可欠の状況にある。

[2018.05.10 千葉県立幕張海浜公園内にある人工海岸「幕張の浜」にて]
1. [拡大画像: x28202.jpg]
2. [拡大画像: x28203.jpg]
3. [拡大画像: x28204.jpg]

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地図の四角張った海岸線をたどれば、観音崎・富津岬間の東京湾口線の北側の湾内では自然海岸はほとんどなく、人工海岸の垂直型 岸壁・護岸だけとなっていると推察される。 [拡大画像: x28210.jpg]


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