一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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鎌倉時代の廻船 (模型) [横浜市立歴史博物館「和船と海運」展示会]

2017年1月~3月に横浜市立歴史博物館・神奈川大学日本常民文化研究所の共同主催展覧会「和船と海運」 が開催された。横浜市立歴史博物館では、サブテーマ「江戸時代横浜の海運」と題して、1月28日~3月20日まで 開催された。画像は、そこで展示された鎌倉時代の廻船の模型である(近藤友一郎氏製作、神奈川大学日本常民文化研究所蔵)。

説明パネルには以下のように記される。模型は「北野天神絵巻」(承久本)に描かれた和船をモデルにして製作された。 12人漕ぎで、250石(約25t)積みの船を縮尺1/10で復元したもの。中世の絵巻物に描かれた船は船首や船尾の 船底部が滑らかな曲面で表現されている。だが、この曲面を板張りで作ることは困難であることから、当時の船は刳り船 構造の準構造船であったと解される。

模型の船体中央部の船底構造について: 刳り抜き材3材を左・中・右の横列に継ぐ → もう一対を前後方向に継ぐ →  船首と船尾の刳り抜き材をそれら6材の前後に継ぎ足す。船底部は合計8材からなる。2段からなる舷側板をそれぞれの 舷上部に取り付けられている。

動力は櫓と帆の兼用。帆は筵(むしろ)でできている。帆走は基本的に順風時のみで、櫓走の時は帆柱を倒して航行した。 刳り船構造の準構造船は弥生時代末に出現して以降、1,000年以上にわたって国内水運の主役として使われ続けていた。

[画像撮影: 2017.3.17 横浜市立歴史博物館にて][拡大画像: x27539.jpg][拡大画像: x27542.jpg]

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1. 廻船の構造が分かるように、模型の船体中央部の船底が下方の鏡に映し出されている。 [拡大画像: x27540.jpg]

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2. 片舷5本の櫓が備わっている。 [拡大画像: x27541.jpg]


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