一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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和船造り工房と船大工道具 [神奈川大学日本常民文化研究所]

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神奈川大学日本常民文化研究所 (横浜市神奈川区) において「和船の構造と技術」と題する展覧会が2017年1月30日~3月17日まで 開催された。

展示パネルによると、近藤友一郎和船研究所が所蔵していた資史料が2013年に神奈川大学・日本常民文化研究所に譲渡された。 近藤研究所は1989年に焼津の船大工三代目の近藤友一郎氏が設立したものである。和船資料の調査収集と研究を行い、その成果として 和船模型を製作し発表してきた。譲渡資料は、和船模型、和船関係文献・図面、船大工道具、船釘類、操船具、漁具など多岐にわたる。

画像3は旧近藤和船研究所の和船模型製作工房の一部が復元されたものである。 画像1&2では、模型製作などのために用いられた数多くの船大工具が類型化され陳列されている。これだけ多種多様な船大工用具が一堂に 展示され一般公開されるのは稀であると推察される。多くの見学者の目を見張らせたことであろう。

[画像撮影: 2017.3.17 神奈川大学日本常民文化研究所にて][拡大画像: x27577.jpg][拡大画像: x27607.jpg][拡大画像: x27608.jpg]

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1. 「船大工の道具①」。杣 (そま) (木こり) の道具、木挽の道具など。 [拡大画像: x27578.jpg]
2. 「船大工の道具②」。部材造りや切るための道具。 [拡大画像: x27579.jpg]
3. 「船大工の道具⑤」。曲げて固定する道具。「和船を造る」と題するパネルが画面右に掲示される。  [拡大画像: x27580.jpg]

4. 「船釘の使用方」、「船釘の打ち込み」についての説明。船材を接合する船釘を打ち込むための穴を予め開ける。この時に用いられる のが鍔鑿 (つばのみ) である。鍔の部分は、穴を開けた後にその鑿を抜くために、打ち込んだのとは逆方向から叩くために用いる。  [拡大画像: x27581.jpg]

和船造りでは大きくねじ曲げた部材を張り合わせ接合する必要がある。部材をねじ曲げるための技術である「焼矯 (やきだめ)」には さまざまな手法がある。基本的には、曲げる方向に熱を加え、少しずつ力を加えて変形させる方法が一般的である。加熱で焼けたり 割れたりしないように、水や湯をかけて船材を蒸らしながら変形させる。船材が冷えると変形がそのまま固定される。

5. 「船大工の道具⑥/船釘の下穴を開ける、⑦船釘を打つ」。画面下方に見えるのは、舟板間の隙間に埋め込んで水漏れを防ぐための まきはだ、及びそれを打ち込むための用具 (鑿のような形状をしている) が展示される。 [拡大画像: x27582.jpg]


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