一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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サン・ペドロ要塞 [フィリピン・セブ島]

画像に写るのは、フィリピン中部セブ島のセブ旧市街地に現在も残るサン・ペドロ要塞(San Pedro Fort)である。 (展示された他の写真の年代から類推して、1920年頃に撮影されたものと考えられる)。

フィリピンで最古で最小の三陵堡 (りょうほ; bastion) 式要塞である。三角の形状をなし、各頂角に陵堡をもつ。 要塞内の司令官居室(Viviende del Teniente)を利用した展示室に掲示される写真の一である。 キャプション: The oldest and the smallest tribastion fort in the Philippines.

要塞内に展示される諸資料によれば、要塞の最初の構造物は、セブ旧市街地の浜辺に野営したスペインのコンキスタドール(conquistador)、 ミゲル・ロペス・デ・レガスピーが率いるスペイン探検隊の安全を確保するために急ごしらえで築造されたという。 レガスピーがセブ島へ到着して11日後の1565年5月8日に彼の命でその築造が始められた。それは海に突き出た岬において、木製の柵で三角状に 造作され、かつ幾つかの清水井戸 (うち一つは現在でも使用可能である) が敷地内に取り込まれた。海に面する2辺は大砲により防護され、 陸に面するもう一辺は城壁でしっかりと防護された。
サン・ペドロという名称は、恐らくはレガスピーの旗艦であったサン・ペドロ号に因んで名付けられたものである。 サン・ペドロ号はセブでのスペイン人入植地設営後にメキシコに送り返された。初期のスペイン人入植者にとっては、この要塞は定植のため の中核的拠点となった。

現在市内に残る石造りの要塞は、1738年までに、敵対するイスラム教徒勢力からの攻撃に対抗するために築造されたものである。 港湾地区が埋め立てられる以前は、三角の形状をした要塞の一辺のみが町の広がる陸側に面し、かつ正門が設けられた。他の2辺は海に面し 大砲並びにその前面を覆う木製の柵をもって重々しく武装されていた。

* 3つの陵堡: San Miguel (北東部), La Concepcion (南西部) and Ignacio de Loyola (南東部)。
なお、現在の要塞は、当時沿岸の村々をしばしば襲っていた海賊や略奪者からスペイン人入植地を防護するために、1835年に建て替えられた ものである。

[画像撮影: 2018.3.20 フィリピン中部セブ島セブ旧市街地のサン・ペドロ要塞(San Pedro Fort)での展示][拡大画像: x28146.jpg]


図上の「B」が正門である。2辺が海に面している。北東部の陵堡から右回りに、San Miguel (北東部)、Ignacio de Loyola (南東部)、 La Concepcion (南西部) である。 


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