一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
1
2
画像 1 は韓国ソウルから南西40㎞ほどの地に建設され、現在稼動中の「始華湖(シファホSihwa)潮力発電所」である。発電所に隣接する
人工島には、展望塔の他に広報館が設置され、潮力発電の仕組みや自然再生可能エネルギーに関する展示がなされている。
また、人工島は一般市民が憩える臨海公園となっている。 西海(黄海)沿岸の入り江が総延長12.7kmの堰堤によって閉め切られている。画像 1 の左上の水面が外海である。右側は4,380ヘクタールの 広さをもつ人工湖・始華湖である。画像 1 では、満潮時になって、10基のタービン発電設備のある水中トンネルに海水が流入し、発電後の 海水が人工湖側に流入し白波をたてている様を描いている。その施設の向こう側 (右側) に湖水の流出口である水門施設がある。 満ち潮時のみに発電が可能な「漲潮式(ぼうちょうしき)」発電方式である。満ち潮によって外海の海水が漲潮すると、その外海の水位と湖の それと高低差が生じる。それを利用して外海から湖側へ海水を水中タービン経由で流入させ、タービンを駆動させる。 満ち潮時における海水の一方向の流れにおいてのみ発電する「単流式」(一方向発電) でもある(引き潮時においては発電されない)。 「Single-Effect Flood Generation」と呼ばれる。 発電設備能力としては、出力25.4MWの発電タービン10基で、その合計は254MW(25万4000kW)ある。1日当たり8-9時間稼動して、 年間552.7GWhの発電量があるとされる。 [画像撮影: 2017.10.31 始華湖潮力発電所 (Sihwa Tidal Power Plant) にて][拡大画像: x27961.jpg][拡大画像: x27962.jpg] |
3 4
画像3&4は施設の構造と発電の仕組みを示す模式図である。画像4のように、引き潮時には水門が開かれ、湖水が外海へ流出する。そして、
引き潮時に人工湖の湖面水位が3メートル下がった状態の時に水門が閉じられる。
その後やがて満ち潮が始まり、それによって外海の海水が漲潮し、水門を隔てて外海の水位が上昇すれば、湖水面との間で
水位差が生じることになる。画像5のように、外海の海面水位と人工湖の湖面水位との潮位差が約2メートルになった時に、水中タービンの扉
が開かれる。タービンに流れ込む海水は直径7.5メートル、重さ53トンのプロペラを回転させて発電する。 3. [拡大画像: x27963.jpg] 4. [拡大画像: x27964.jpg] |
5
6
画像5&6: 満潮時に海水が発電用タービンへ流入し、発電を終えた海水が外海から人工湖に向かって勢いよく吐き出されて渦を巻いている (画像5)。小魚がまとまって吐き出され、それに寄りつくのであろうか、海鳥が舞う。 [拡大画像: x27966.jpg][拡大画像: x27967.jpg] |
7
総延長12.7kmにわたる堰堤 (コーズウェイ) の中間辺りに位置する小さな人工島に発電所があり、また一般市民に開放された臨海公園がある。 幾つかのアート作品も設置される市民の憩いの場である。 [拡大画像: x27965.jpg] |