1954年(昭和29年)3月1日に、米国が太平洋のマーシャル諸島(北緯10度付近に散在する)のうちのビキニ環礁で
水爆実験を行なった。同環礁から30kmほどの海域で操業していた第五福竜丸が被爆した。帰国した同船から放射能に汚染された
マグロ類が水揚げされた。東京都の中央卸売市場築地市場(Tsukiji Central Wholesale Fish Market)としては、
競りにかけて一般流通させることはできず、その処分策として同市場の一角に大きな穴を掘り、その地中に埋め込んだ。
その後、「築地にマグロ塚を作る会」が発起人となって募金活動を行い、募金に参加した大勢の子どもたちと共に「マグロ塚」(Tuna
Memorial)という石碑を作った。本来であれば、マグロ塚はマグロが埋められた築地市場に設置することが相応しかったが、
市場は折から整備中であったことから、暫定的に第五福竜丸展示館の傍に置かれることになった。
築地市場は2018年10月にその営業活動の幕を閉じ、豊洲市場がオープンした。だが、マグロ塚はそのまま現在の地に留まって
いるとはいえ、その設置に込められた人々の願いは些かも変わっていないに違いない。
[撮影日時: 2019年9月3日/撮影場所:夢の島公園内、東京都立第五福竜丸展示館(Daigo Fukuryu Maru Exhibition Hall,
"The Lucky Dragon No.5" Exhibition Hall)/展示館の開館は1976年6月10日]