一枚の特選フォト「海 & 船」
北前船を舫うための「船つなぎ石」
[北前船の廻船主・船大工の集落・新潟佐渡島の宿根木]
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新潟県佐渡島の南西部にある小木(おぎ)半島に位置する「宿根木(しゅくねぎ)」。宿根木は、その昔
北前船の廻船主・船大工の集落として大いに栄えた。集落のすぐ背後に山が迫り、海辺までほとんど平地のないところに家々が
密集する。集落のすぐの岸には北前船を舫うために使われた
係船柱「船つなぎ石」がぽつんと建っている。宿根木の人はそれを「シロボウズ」とも言う。
案内立札によると、石は石橋や石鳥居と同じく瀬戸内海から運ばれてきたもので、 御影石で造られている。船を繫ぐためのこの石杭は、1776年(安永5年)頃に建てられたものと推定されている。1802年(享和2年) の小木地震により海岸が1メートル余り隆起し、これにより千石船もこの宿根木の港に入らなくなった。港には現在も7本が 残っているいう。
[撮影年月日:2020.10.21/撮影場所: 北前船の廻船主・船大工の集落・宿根木にて] |
2. 「穴口邸」(あなぐちてい)。廻船主伊藤伊左衛門家の屋敷。越前三国港付近から千石船で運ばれた笏谷石(しゃくたにいし) の敷石、広い庭がある。 3. 「三角家」(さんかくや)。1846年(弘化3年)の水害後に羽茂大橋付近から移築された建物。敷地に合わせて三角形に切り詰め て造作されている。 |