一枚の特選フォト「海 & 船」
「利根川の流路変遷」を示す三枚の概略図
1 1000年前(参考:「利根治水論考」) 利根川は南流し、住田川(隅田川)となって江戸湾に注いでいた。荒川(綾瀬川)、入間川が住田川に合流する。 渡良瀬川が利根川とほぼ並行的に南流し江戸湾へ注ぐ。 |
2 江戸初期(参考:「利根治水論考」) かつての利根川は「古利根川」と名前を変え、隅田川となって江戸湾へ注ぐ。 渡良瀬川が、関宿を経て利根川と名前を変えて(現代の江戸川)、江戸湾へ注ぎ出ている。 また、地図によれば、渡良瀬川は関宿辺りで東遷し、常陸川へと通じ、取手・佐原・銚子を経て太平洋に注ぎ出る。 |
3 「現代」と表示されるが現在(2021年)ではない。荒川が隅田川となって東京湾へ注ぐ。 かつての荒川は「元荒川」となり、「古利根川」と合流して「中川」となって東京湾へ注いでいる。 入間川が荒川となっている。かつての利根川は江戸川となって東京湾に注ぐ。 東遷する利根川の現代の流路が示される。 この1000年のうちに、治水工事、運河開削、干拓・農地開発などの結果、関東平野の主要河川網は大きく変遷し、河川名称も目まぐるしく 改変されてきた。 大利根分館では画像1-3の流路変遷についての説明書きはない。概略図をよく見比べ、その範囲で変遷の史実を知る他ないが、 他の博物館・郷土資料館その他におけるガイドなどを参考にしながら、時にアップデートしたい。 [撮影年月日:2019.8.8/撮影場所: 千葉県立中央博物館大利根分館] |