一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

Back to: Top Page | 特選フォト「海&船」目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ


利根川水系の高瀬船(大型模型) [千葉県立関宿城博物館]

1 2

千葉県立関宿城博物館(野田市)に展示される、利根川水系での物資や旅客の輸送に活躍した高瀬船である。水深の浅い河川でも通航できるように吃水は浅く、また水上を滑る ように滑らかに進航できるように、舳先部分は尖った水切りスタイルではなく平たくできている(「立板づくり」と呼ばれる)。

[参考]高瀬船に対して、五大力船(ごだいりきせん)は東京湾を中心に活躍した海と河川の両用船である。高瀬船とは対照的に、波を 切って進航できるように、舳先部分は水を鋭角に切り裂くような形をしている(その船首部建て付けは「水押」(みおし)と呼ばれる)。 波に乗り上げて転覆しないようになっている。また、吃水は深くなっている。高瀬船の舳先の「立板づくり」と五大力船の「水押」は、 川船と海船との違いとして認識される。

高瀬船とともに、野田市関宿の船頭が昭和初期に高瀬船で実際に使用していたという、全長約14メートルもある帆の一部が展示される (画像1の舵柄をもつ舵取りの右側に見えるのが帆布である)。その展示品の説明書きによれば、高瀬船の帆は江戸時代中期頃まで重たい 藁(わら)ムシロや二重(ふたえ)にした木綿布であったが、1785年(天明5年)に播磨(現・兵庫県)の工楽松右衛門 (くらくまつえもん) が軽くて 丈夫な二本取りの糸の帆を発明し、これが高瀬船にも取り入れられた。

[撮影年月日:2020.7.10/撮影場所: 千葉県立関宿城博物館(利根川と江戸川との分岐地点近傍に所在する/住所: 千葉県野田市関宿三軒家 143-4)]
1. [拡大画像: x28993.jpg]
2. [拡大画像: x29020.jpg]

3
3. 高瀬船模型(1/50縮尺)。 [拡大画像: x29030.jpg]

[その他参考画像]
4
5
4. [拡大画像: x28672.jpg]
5. [拡大画像: x28673.jpg]


Back to: Top Page | 特選フォト「海&船」目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ