海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, 船模型製作ship-model-making, オーストラリア国立海洋博物館Australian National Maritime Museum, オーストラリアAustralia

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

Back to: Top Page | 特選フォト⌈海&船⌋目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ


シップモデル製作実演のボランティアおじさん

シップモデルの製作をホビーにする方はけっこう多い。ガレオン船、クリッパーのような帆船模型を見ると、その複雑さに 圧倒される。こんな手の込んだ物をよく作るものだと感嘆の溜め息をつくばかりである。

キールを据えて、その両側に肋骨材を一つ一つ丹念に組み立てて行く。
そして、外板や甲板を張り付けながら、いつしかマストや斜檣を立て、静索をしっかり張ってマストなどを固定することになろう。
20、30枚の帆を張れば、帆桁(ヤード)の角度を変えたり、帆を畳・展帆するための各種動索を張らねばならない。
マスト、斜檣や帆に張り巡らされたあらゆる索類や滑車類、、、、それらがどう繋がってどんな機能を果たしているのか、それらを よく理解しないとうまく仕上がらないであろう。
三つ目滑車にも、虫眼鏡で見ないと分からないくらいの小さな穴が開けられ、そこに索が通されている。

全く根気のいるハードワーク。好きでないとやれない作業が何ヶ月も何年も続けられる。 完成に対する見返りは何であろうか、、、、。エベレスト初登頂の喜びにも匹敵する「完成の喜び」がその対価なのであろうか。

大小いろいろな形、大きさのボトル内にシップモデルをつくるホビーもある。
完成をみて満足度は100%以上、人さまに見てもらってその喜びは倍となり、創作の苦労も吹き飛んでしまうであろう。

机上の名札パネルには「今日のシップモデル製作実演ボランティア(volunteer modelmaker)は、Mr. John Laingさんです」 と紹介されている。今日も朝から黙々と製作に専念、時折見学者と談笑しながらリラックスするジョンおじさんである。
[2011.04.04-12 オーストラリア海洋博物館にて][拡大画像: x23463.jpg]

1 2
3 4
1. シップモデル製作実演中のボランティアMr.John Laingさん。見学者が足を止めて、モデル製作の経験、楽しみ方などについて、 ジョンさんと思い思いの会話を交わして行く。一人になると作業に戻って組み立てに専念する。 [拡大画像: x23464.jpg]
2. 同上。 [拡大画像: x23469.jpg]

3. 模型は「Duyfken」(Little Dove)号という小さな帆船である。キール、肋骨(リブ)、甲板などの船体の基本的な 部分の組み立てが終わったところである。「Duyfken」号はオランダの探検船である。 1606年に、乗組員20名にて、インドネシアのバタヴィア(今のジャカルタ)を出港し、ヨーク岬半島西岸に上陸し、先住民と遭遇した。 これが記録に残されている、ヨーロッパ人による最初のオーストラリア上陸と遭遇であった。 1770年に英国キャプテン・クックがオーストラリア大陸に上陸する1世紀以上も前のことである。  [拡大画像: x23510.jpg][拡大画像: x23511.jpg: 英文説明書き]

4. 英国キャプテン・クックが第一回太平洋探検航海において乗り込んだ帆船「エンデバー号 (Endeavour Bark)」の ボトルシップ。クックはオーストラリア大陸南東岸、今のボタニー湾 (シドニー湾の南方10kmほどのことろにある湾) に 上陸した。 [拡大画像: x23509.jpg]

辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館
・ オーストラリアの海洋博物館
・ オーストラリア国立海洋博物館


Back to: Top Page | 特選フォト⌈海&船⌋目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ