一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
「ノアの方舟」の錨? 余りにも巨大な木製の錨
韓国・南西部の全羅南道にある木浦(Mokpo・モッポ)という漁港町。
そこに文化財庁所属の有名な国立海洋文化財研究所 (National Research Institute of
Maritime Cultural Heritage) がある。研究所には国立海洋博物館 (National Maritime Museum) が併設されている。
研究所の主な活動は、水中文化遺産の発掘・保存・展示・教育である。過去の古い沈没船、伝統的な韓船の復原、海洋
文化遺産の収集・保存、海洋交流史や民族学的研究など。海に隠された文化遺産の再発見よって韓国の海洋の歴史・文化を再評価するなどの
研究活動を行っている。
博物館正面入り口前の広場に陣取るのは、余りにも「巨大すぎる」木製の錨である。その説明パネルには次のように記されている。
木製であるから浮力そのものは大きいはずである。浮力が大で、錨が水中を浮遊するようでは用をなさない。 だが、この錨には大きい鉄塊、大石などが括り付けられているようには見えない。 どれほど実用的なのか疑問に思っていた。 この錨と同じような木製の巨大な錨を取り付けたエビ捕獲船が博物館敷地の護岸に係留されている。 下げ潮時と上げ潮時における木製錨の比較写真を撮ってみた。それを見ると興味深い。 普通、鉄製錨は船首両舷側上部に収納され、必要時に水中に投下され、錨爪を海底に食い込ませ固着させる。だが、 このエビ船は、推進器で動かされるものでなく、強い流れに留まっていればよいので、そんな鉄製錨は不要だし、あっても役に 立たないのであろう。むしろ、浮力に負けないようにできるだけ錨を巨大にし、重くしたうえで、船を錨に乗り上げさせるように 錨を着底させておけば、碇泊の用を足せるのであろう。 錨の上げ下げには、船首部に設置された、横型の胴をもつ巨大な巻き揚げ機が用いられる。伝統的な韓船 は一つの錨と一つの巻き揚げ機で碇泊させるようだ (博物館内にはそんな船模型がいくつか展示されている)。 [雑記帳] 全羅南道の光州から南西方向へ70kmほどの距離にある木浦。研究所には国立海洋博物館 (National Maritime Museum)が併設されている。
研究所の主な活動は、水中文化遺産の発掘・保存・展示・教育である。過去の古い沈没船、伝統的な韓船の復原、海洋
文化遺産の収集・保存、海洋交流史や民族学的研究とともに、海に隠された文化遺産の再発見よって韓国の海洋の歴史・文化を
再評価するなどの研究活動を行っている。
○ 第2展示室: 中国の商業貿易交易船の「新安船」は、1323年に中国から日本への航海途中新安沖で難破したものである。 船には中国の多様な工芸品、高麗の青磁、日本の陶器、東南アジアの香辛料、薬剤など積載されていた。沈船の船底・船側の部材も 展示されている。 ○ 第3展示室: 各種の伝統的な沿岸漁具、豊漁祭りなどの漁村民族学的な資料、1814年著の海洋水産生物辞典などが展示される。 ○ 第4展示室: 先史時代から近代までの韓国の船舶史を紹介する。古代船形土器、高麗から朝鮮時代、近代にいたるまでの 韓国の伝統船の模型などが展示されている。
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・ このエビ捕獲漁船の説明パネルには次のように記されている。 |