第2回 ニカラグア運河の夢 視察の旅 旅の記録
エル・ラマとブルーフィールズ/El Rama & Bluefields

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    1.日 時: 2009年5月1日(金)~3日(日)

    2.参加者: 中内清文、木島久恵、N.岸本、S.宮古、M.石原

    3.旅の行程

    図1.選定ルート図(GCINより)

    5月1日(金)

      7:00 首都マナグア(Managua) 出発
      12:00 ムエジェ・デ・ロス・ブジェス(Muelle de los Buyes) ミコ川(Río Mico)橋 到着
      13:00 カラ・デ・モノCara de Mono(ミコ川 Río Mico) 通過
      13:30 ラ・エスペランサLa Esperanza(シキーア川 Río Siquia) 通過
      14:00 エル・ラマ(El Rama) 到着
      15:00 エル・ラマ 出発 エスコンディード川(Río Escondido)を船にて下りブルーフィールズ(Bluefields)へ
      17:00 ブルーフィールズ 到着

    5月2日(土)

      8:30 ブルーフィールズ(Bluefields) 出発
      9:30 ラマ・ケイ島(またはラマ・キー島)(Rama Cay) 到着
      10:30 ラマ・ケイ島 出発 ククラ川(Río Kukra)へ
      11:10 ククラ川沿いのサンタ・エリサ村(Santa Eliza、河口から約30km) 到着
      11:40 サンタ・エリサ村 出発
      13:40 ブルーフィールズ 通過
      14:10 ラグーナ・デ・ペルラス(Laguna de Perlas) 到着
      16:10 ラグーナ・デ・ペルラス 出発 ブルーフィールズへ戻る

    5月3日(日)

      7:30 ブルーフィールズ(Bluefields) 出発
      9:30 ラグーナ・グランデ(Laguna Grande, Big Lagoon)、ククラ・ヒル(Kukra Hill)を経てエル・ラマ(El Rama) 到着
      10:00 エル・ラマ 出発 マナグア(Managua)へ
      16:00 マナグア 到着

    4.旅の目的
    エル・ラマおよびブルーフィールズを訪問し、エル・エスコンディード川およびミコ川、ククラ川を視察する。
    エル・エスコンディード川は下記文献GCINの1,2ルート、ミコ川は1ルート、ククラ川は3ルートの対象ルートになっている。
    また、ブルーフィールズの北側に位置するラグーナ・デ・ペルラスも視察する。
    2008年10月頃、日本の援助によりエル・ラマからククラ・ヒルへの道路の改良工事、クララ・ヒルからラグーナ・デ・ ペルラスへの道路建設工事が終了し、エル・ラマからラグーナ・デ・ペルラスへの道路が開通した。

    5.視察結果
    5.1 視察地域図

    図2.視察地域図

    5.2 ムエジェ・デ・ロス・ブジェス (ミコ川) Muelle de los Buyes (Río Mico)
    ミコ川と国道7号線の交差箇所である。川幅は50~60m程度ある。水深は浅いが、雨季には水量が増加するものと予想できる。
    見学時は水運を物流等に使用している様子はなかった。この町の名前が『牛の桟橋』というように、 街の中心のモニュメントにある壁画には、かつてここで荷物を船から牛、もしくはその逆に積み替え、物流が盛んだった ことを示している。ミコ川橋はかなり大きい。橋長は100m程度か。橋暦版などがなかったため、建設年などは不明。


    写真1.ミコ川とミコ川橋 上流側を望む            写真2.ミコ川 下流を望む


    写真3.ミコ川 橋梁上より下流側を望む            写真4.ミコ川橋 橋上


    写真5.町中心にあるモニュメント               写真6.壁 画




    5.3 カラ・デ・モノ(ミコ川)  Cara de Mono(Río Mico)
    ミコ川と国道7号線がカラ・デ・モノ付近で接近する。川幅は40m程度。水深は浅いと思われる。 周辺はなだらかな丘が続く。


    写真7.ミコ川 国道7号線から           写真8.カラ・デ・モノ付近の周辺の様子




    5.4 ラ・エスペランサ(シキーア川) La Esperanza(Río Siquia)
    ラ・エスペランサで、エスコンディード川の支流、シキーア川と国道7号線が交差する。
    川幅は200m程度か。水量も多く、水深もありそうである。


    写真9.シキーア川下流側を望む            写真10.ラ・エスペランサ橋




    5.5 エスコンディード川(Río Escondido)
    地域図の通り、ミコ川とラマ川の各支流がエル・ラマで合流し、エスコンディード川と呼ばれる大きな川になる。
    川幅は200m程度。途中で3000トン級の大型船舶とすれ違った。水深もある程度あるようである。

    写真11. エル・ラマにて 正面から支流ラマ川がはじまる       写真12. エスコンディード川 下流側を望む


    写真13.エスコンディード川沿いの家屋       写真14.エスコンディード川 住民がカヌーで移動


    写真15.エル・ラマからブルーフェィールズに向かう大型船舶    写真16.ブルーフィールズ付近


    写真17.エスコンディード川から見たブルーフェィールズ




    5.6 ブルーフィールズ湾(Bahía de Bluefields)とラマ・ケイ島(Rama Cay)
      ・ ブルーフィールズから南下するとブルーフィールズ湾内にラマ・ケイ島(またはラマ・キー島)という島がある。
      ブルーフィールズから南へ向かうと対岸に位置するエル・ブルッフ(El Bluff)というところの灯台へ電気を送る電線を 通過した。
      ・ ラマ・ケイ島では500年前から住民が住んでいるそうだ。住民の話では人口は1,500名程度。上下水設備はなく井戸水。
      電気は過去に整備されたが故障し、現在は自家発電をもつ2軒のみ電気を使用している。
      島の中に、小学校、中学校、保健センター、教会があり島の規模としてはしっかりしている方だと同行した村落隊員が 言っていた。
      ・ 住民はこの島に住み、農作物などの栽培は船に乗り移動し別の土地(本土側)でしているとのことだった。
      墓地も島内になく、ミサが終わった遺体はプンタ・デ・デスペディーダ(別れの場所)から船に乗り、墓地へと送られる。
      言語は、英語とミスキート、スペイン語だそうだ。幼い子供はスペイン語を理解できないようだった。


    写真18.ブルーフィールズから灯台ブルッフにつながる電線        写真19.ラマ・ケイ島


    写真20.ラマ・ケイ島の子供たち           写真21.島の小学校(中学校もある)


    写真22.島の中央の低地にあるバスケットコート     写真23.島の中央の低地岸辺にある布団かご工






    5.7 ククラ川 (Río Kukra) とサンタ・エリサ (Santa Elisa) 
    ラマ・ケイ島の西方にククラ川の河口がある。ここから30キロ程度川を遡った。河口付近は川幅も広く100m程度あったが、 15キロ付近になると50m程度になる。途中、いくつかの集落があった。30キロ上流地点にはサンタ・エリサ(Santa Eliza)という集落が あった。農村開発庁(Instituto de Desarrollo Rural: IDR)のプロジェクトが入っており、その看板によると 住民の家族数は52家族。広々とした静かな集落だった。 この地点より上流は、水深が浅くなるためこの地点までの視察とした。さらに30キロ上流には、サン・フランシスコ(San Francisco)という 集落があるそうだ。


    写真26.ククラ川河口付近 上流側を望む     写真27.ククラ川河口より15キロ付近 上流側を望む


    写真28.サンタ・エリサ IDRの援助看板         写真29.サンタ・エリサの家屋(屋根に太陽光発電パネルがある)




    5.8 ラグーナ・デ・ペルラス (Laguna de Perlas)
    ブルーフィールズから北上し、ラグーナ・デ・ペルラスへ向かった。ビッグ・ラグーン(スペイン語ではLaguna Grande)を超え、 川を通過して向かっていると、両側にはたくさんのマングローブが茂っていた。塩水が多いことが想像される。


    写真30.ビッグラグーン周辺             写真31.マングローブが生え茂る


    写真32.ククラ・ヒル(Kukra Hill)の港           写真33.ラグーナ・デ・ペルラスの港

    6.その他気付いた点、今後の課題
    ・ エスコンディード川は、現在もその水運が活用され物流が盛んな様子が伺えた。
    ・ ククラ川は、蛇行しており、上流側では川幅が狭くなる。物流手段として使用はあまりされていない様子だった。

    7.今後の予定

      ・ エル・ラマ川の視察。7月頃が適切とのこと。水量が増えるためより上流まで遡ることができ、降雨量は8月~10月 よりは少ないため、視察に適する。
      ・ チナンデガ県コリント市に隣接するエル・レアレホ(El Realejo))の視察。レアレホは、19世紀頃まで大きな港を持っており、 700トン級のガレオン船の造船を行っていた。参考文献(2)によると、太平洋と町を結ぶ道が泥まみれになり、コリントに 港が移されることになった。 その後、町は衰退したとある。ニカラグアの文化遺産であるサンティアゴ教会がある。
      ・ サン・ファン・デル・ノルテ(San Juan del Norte)の視察。参考文献(2)および(3)によると、1889年にアメリカ 合衆国がニカラグア運河の工事を始めた。そのときの浚渫台が今も残っているそうである。

    8.参考文献
    (1) Gobierno de Nicaragua, Comisión de Trabajo Gran Canal, Gran Canal Interoceánico por Nicaragua (GCIN): Perfil del Proyecto, Agosto de 2006.
    (2) La guia de Nicaragua, EDITORIAL HISPAMAR, Mayo de 2006
    (3) 地球の歩き方 中米編 2007~2008年版、2007年3月

    以 上
    (記録:木島)

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