第5回 ニカラグア運河の夢 視察の旅 旅の記録
エル・レアレホとアポセンティーヨ/El Realejo & Aposentillo

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    1. 日 時: 2009年7月4日(土)

    2. 参加者: 中内清文、木島久恵、T.菅

    3. 旅の行程

      07:00 首都マナグア(Managua) 出発
      10:00 チナンデガ(Chinandega) 到着
      10:30 エル・レアレホ(El Realejo) 到着 市役所およびサンチャゴ教会 外観見学
      11:00 サン・フランシスコ修道院跡(Ruinas de Convento de San Francisco) 見学
      11:30 造船所跡周辺 見学(カヌーによるマングローブ湿地帯の踏査を含む)
      13:00 昼食
      15:00 アポセンティーヨ(Aposentillo) マリーナ(Marina Puesta del Sol) 到着 見学
      18:00 アポセンティーヨ 出発

    4. 旅の目的

     ニカラグアの太平洋沿岸(西海岸)北部に位置する、エル・レアレホ(El Realejo)とアポセンティーヨ(Aposentillo)を訪れる。レアレホは、 太平洋沿岸北部の中心都市チナンデガから車で20分ほど西に向かったところに位置する。
    エル・レアレホは1532年に設立され、その頃大きな造船所や港があり繁栄していたそうだ(文献(1))。 今は衰退してしまっているが、その時代からの教会などが残っている。植民地時代に繁栄した港がこの場所にあったのは 何ゆえか? 海岸が砂州などに囲まれ、かつ奥行きのある入り江内にあるという、 地形的観点からして港としての立地条件に恵まれていたためであろう。
    かつて造船所および港として繁栄していたこの町を訪問し、ニカラグアにおける過去の物流の要所を視察する。 また、エル・レアレホの北部にあるアポセンティーヨに建設された外洋ヨットやクルーザーなどのためのマリーナを訪れ、 海岸の状況などを視察する。

    5. 視察地域図


    図.視察地域図

    6. 視察結果
    6.1 エル・レアレホ(El Realejo)
    ・ エル・レアレホ入口 案内門
     エル・レアレホの町の入口に写真1のような門がある。両端の絵には船の絵があり、この町が古くから港として機能してきたことが分かる。


    写真1.エル・レアレホ入口 案内門

    ・ 市役所
     市の中心部に市役所が建っている。『1532年設立』と明記されている(写真2)。
    ・ サンティアゴ教会
     市役所のすぐ近くに、町の中心をなすサンティアゴ教会がある。ニカラグアの文化遺産である。1532年設立の市役所と 同じくらいの時期に建てられたという。教会の人の話によると、部分的には近年建設されたそうであるが、 昔の趣きを感じることができる。


              写真2.市役所                  写真3.サンティアゴ教会

    ・ サン・フランシスコ修道院跡
     サンティアゴ教会から西へ1区画進むとサン・フランシスコ修道院跡がある。文献(2)によると、1525年に建設され、 その後1685年に補修されたそうである。現在は写真の通り、かつての修道院の壁が部分的に残っている程度だが、 敷地は金網で囲まれ保存されている。教会とこの修道院を結ぶ地下トンネルがあったそうだ。


          写真4.サン・フランシスコ修道院跡1         写真5.サン・フランシスコ修道院跡2

    ・ 造船所跡 周辺
     町中心からして海岸側にその昔造船所があったそうだ。今はその面影は見ることができない。造船所跡周辺は入り江の 海岸につながる河口付近にあり、マングローブの木やその他様々な木が生い茂る。雨季に入り水量が2ヶ月前の訪問時に 比べ増水している。
    グアナカステ(guanacaste マメ科の熱帯植物)という木の幹をくり抜いて作られ丸木舟が岸に繋がれていた。この船に 乗りマングローブ林をぬいながら河口へと向かった。マングローブ樹に覆われた川筋を手漕ぎにより20分ほど下ると 河口付近に着いた。その川筋での水深は約5m程度だそうだ。河口付近にはエビの養殖場があった。


       写真6.造船所があったという川辺 上流側を望む    写真7.造船所があったという川辺 下流側を望む


              写真8.エビ養殖所                  写真9.河口付近

    ・ 町の人々の暮らし
     町人の多数が漁により生計を立て暮らしているようであった。町のあらゆる場所に小さな舟があり、投げ網用の網が あった。造船所跡付近から河口まで連れて行ってくれた青年も漁を仕事としていた。夕方に海へ出かけ沖で漁をし翌朝 戻ってくるそうだ。2日に一度、こうして海へ出かける。

    6.2 アポセンティーヨ(Aposentillo) マリーナ
     アポセンティーヨには、マリーナ・プエスタ・デル・ソル(Marina Puesta del Sol)というホテルやヨットハーバーなど の施設がある。4年前の2005年に建設されたそうだが、主要幹線道からアポセンティーヨまでの道路は現在舗装工事中で、 今年2009年12月に完成するそうである。ヨットハーバーは内海に面しており、波のない穏やかな場所にある。ホテルの すぐ近くの太平洋に面した海岸に行った。穏やかな波が海岸に寄せては引いていた。


        写真10.マリーナ・プエスタ・デル・ソル        写真11.ヨットハーバーとプール施設


        写真12.太平洋に面した海岸             写真13.海岸の小屋

    7.今後の予定
    ・ サン・ファン・デル・ノルテ(現在はサン・ファン・デ・ニカラグア San Juan de Nicaraguaと改名されている)の視察を7月半ばに計画。
    ・ エル・ラマ川(Río Rama)方面の視察を8月前半に計画。
    ・ ニカラグア湖東側から大西洋側への運河ルート、オヤテ川(Río Oyate)付近の視察。

    8. 参考文献
    (1) エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章、田中高、明石書店、2004年8月
    (2) La guia de Nicaragua, EDITORIAL HISPAMAR, Mayo de 2006

    以 上
    (記録:木島)

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