ニカラグア政府の「大運河検討作業委員会」が2006年8月に公表した「ニカラグア両洋間大運河計画書」*では、
ニカラグア運河候補ルートとして6つ挙げられている。
* "Gran Canal Interoceánico por Nicaragua (GCIN): Perfil del Proyecto", Comisión de Trabajo Gran Canal,
Gobierno de Nicaragua
そのうちの3つのルート(No.1、No.2、No.3)が共通して通過する区間がある。
その区間とは、海抜32mほどの高度にあるニカラグア湖(Lago de Nicaragua)からオヤテ川(Río Oyate)沿いに遡上し、
その源流域とラマ川(Río Rama)のそれとの間に横たわる、海抜60~70mの起伏の緩やかな分水嶺山系を経て、
ラマ川の上流域へとつながる区間である。
2009年7月12日、ラマ川上流域にある集落のうち最奥にして最大の集落コロニア・リオ・ラマ(Colonia Río Rama)付近のラマ川本流と
その支流を踏査し、分水嶺山系方面を遠望した。なお、分水嶺山系方面を撮影した画像については写りが良くなかったので、
残念ながら掲載することができない。

図2.オヤテ川~ラマ川概略図
オヤテ川は、北東(右上)から南西(左下)方向へとほぼ破線(緑色)に沿って流れ下り、支流のエル・カカオ川
(El Cacao)と合流しつつ、エル・オヤテ村(El Oyate)を経て、ニカラグア湖へと注ぎ込む。
他方、大西洋(カリブ海)へと流れ下るラマ川は図の右上に位置するエル・コラル村(El Coral)やコロニア・リオ・ラマ村
の南側(下側)を流れているが、オヤテ川とラマ川は交わることはない。図の右上をよく見ると、両河川は南北方向に
並行してすれ違っているのが分かる。
そのすれ違う辺りが海抜60~70mの起伏の緩やかな分水嶺域である。ラマ川上流~分水嶺域~オヤテ川~ニカラグア湖の
区間が、既述の3つの候補ルートが共通して通過するところである。[拡大画像(x23145.jpg)] & Photoshop(x23145.psd)]
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