漁業技術の画像集・FishTech
著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
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はしがき/目次 11 はしがき 我々は、調査や実習指導等のため、各種の漁船に接する機会が多かった。したがって、それぞれの漁船や漁具が どんな形をしているか知っていたし、それを当然と思っていた。しかし、それは大きな間違いであった。 見たことのないものを言葉だけで説明するのは困難である。このことを、30年前メキシコ・モンテレー工科大学の 客員教授として出張中に痛感した。そのためには、挿絵を使うことがよい。しかし、概観は分かっても、 細部まで正確に画かれている挿絵は少ない。画像は挿絵に勝る。 このことは、日本人の学生にとっても同じだろう。漁業に関するビデオ画像を教材として用いることを考えた。 ある年代には漁業を扱ったビデオ画像が増加した。確かにそれらは役立った。しかし、それらは、当然ながら 普通の人が見て美しい映像と説明であり、それぞれの漁業の概要を知るには便利であるが、 細部を説明するにはほとんど役立たなかった。これは目的と関心が異なるので当然である。 また、ビデオは細部を見るには解像度が十分でない。 調査・実習指導・海外からの研修生指導・学会往復の途中等、常にカメラを持ち歩いて自分でスライドを作る ことに努め、その一部は在職中の授業等に使った。 ここに収録した映像の古いものは、1962年に北洋の監督官として底曳漁業に参加したときのものである。 それから始まり、新しいものは2002年に撮影したものまでに渡る。当初はスライド用のフィルムは高価で、 しかも感度が低かったので、その頃の映像は少ない。しかし、ある時期は日本における漁業が大きい変化をした。 その頃の映像が多い。中にはなくなってしまった漁業に関する映像もある。それらの写真は、ある意味では それらの映像を伝える意味しかないだろう。漁業が盛んであった年代には、十分な資金をかけ、当時の技術の 最先端を使った漁船を見かけた。しかし、その頃はそれなりに問題があった。そのような漁船には秘密が多く、 写真撮影は好まれなかったので、それらの写真は少ない。遠洋漁業の漁船は入港しても好機を捉まえなければ 写真撮影はできない。 また、サヨリ掬網・イカ掬網・提灯網のように、よく消えずに残ったと考えられる漁業の写真がある。 サンゴ網・漕刺網・囲刺網・曲建網のように、見過ごしやすい漁業がある。そのような漁法の記録にも心掛けた。
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はじめは、映像を中心とし、簡単なメモ程度の説明を加えるだけに留めた。しかし、パソコンの画面を一枚ずつ 拡大してゆっくり眺めるとはじめて気づくことがある。それをメモに加えた。さらに若手の教官や研究科生に 見せるうちに、背景となる知識に関して我々との間に大きなギャップのあることに気がついたので、 次第に説明を追加した。この説明を加えるのに、さらに数年かかった。 この説明は実態を知らない学部学生まで理解できる程度にまで拡大すると膨大になるので、修士課程の学生の水準を 対象と考えた。 なお、写真を撮る機会の多くは関係地域の人々にアレンジと同行の労をわずらわせた。この写真集はその集積と言える。 それらの人達に対して心からお礼申し上げる。 また、大学生に通じるように現職の諸先生方に協力を仰いだ。ここに感謝したい。
全フォールダは、Word 98で作ってある。各フォールダは、ファイル「解説」とファイル「写真」に、あるいは それらをいくつかに分けてある。まず「解説」をプリントアウトし、それを参考にしながら「写真」を見てほしい。 写真はノートパソコンの1ページに2画面を表示することを原則としている。パソコンの画面の大きさに応じて、 「表示」の倍率を変更し、詳細を見るためには、その映像をクリックし、角のマークを斜めに引っ張ればよい。 内容が変更されないように、MOやCDRWを避け、CDに書込んであるので、原版は変わらない。 |