漁業技術の画像集・FishTech
著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
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第 2 部 15 底曳網 13 和歌浦(雑賀崎)における底曳網漁船 紀淡海峡のすぐ外側にある和歌浦(雑賀崎)には、船に住み込んで魚を追いながら各地で一本釣をする家船という 独特の習慣があるので有名であった。しかし、その面影はほとんど見られなかった。残っていたとしても、 家船は正月と盆の2回しか帰港しないので、それ以外の季節では見られなかっただろう。 和歌浦では台風に耐える構造の家が崖に密集している。 ここの主要漁法は底曳網である。ここは大規模の底曳網船団に関して記した箕島から北に直線で14kmしか 離れていない。箕島とは操業時間を変えて、同じ漁場を使い分けている。当然両者の間の交流が考えられる。 それにもかかわらず、同じ海域で同じ底曳網漁業に従事する船でも共通点が少ないので、ここに記した。 この解説を読むに当たり、箕島に関する解説を参考にする前提で記した。
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No.2
No.3
No.4
No.4の中央にはシラス船曳船が見られる。これはこの地方で見られる典型的なドラム式の船曳船の船型をしている。 No.1とNo.4の左隅の近景としてぼんやりと写っているのは、魚の干物である。
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No.6
No.7
No.8
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ドラムの両側から長いパイプが立ち上がり、コッドエンドを吊り上げるためと考えられる櫓を作る。この櫓の アームはあまり高くない。一部の船では、船尾のブルワークトップには揚げるときにコッドエンドが擦れないように 空転する細いローラがある。船尾でコッドエンドを揚げるとすれば、漁獲物の選別は船尾で行われることになる。 No.8では、船尾舷外の水線付近にソリ状の張り出しがある。この機能については、もう少し水面に近いか 水面下にあれば、種々の可能性が考えられる。この船では、他で見られた張り出しブームが見られないので、 それと関連が考えられる。 このように、同じ漁港を根拠とし同じ漁業に従事する船の概型は似ていても、細部は1隻ずつ異なる。
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No.12
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No.14 家船の可能性が考えられる一本釣船
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