漁業技術の画像集・FishTech
著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
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第 2 部 18 北転船 11 北転船の装備 北日本では、第2次世界大戦直後の食糧難を支えた沖合い底曳船の減船が考えられていた。もう1つの流れ として次のような動きがある:1950年代後半には、捕鯨の冷凍母船の漁期外における活用を図り、カムチャッカ 半島外側のナバリン岬とオリュートル岬の間の沖合いで、母船式カニ漁業が行われていた。この船団は、独航船 として主に北日本にある系列会社の以東底曳船を使っていた。この船団は、採算が取れる魚種を見つけるために、 ほとんどあらゆる漁法の試験操業を行った。限られた季節には底刺網にニシンが刺さった。しかし、それだけでは 採算点から程遠かった。水深を間違って深みに設置された刺網にオヒョウがかかり、採算点を模索するためその 生息深度の調査が行われ、その結果水深400m付近に採算のとれる程度のオヒョウが存在することが分かり、 1960年には、この漁業から独立して母船式底魚漁業が起こった。 これらの結果、1960年には沖合い底曳船の北洋への転換が計られた。このときに漁場を切り替えた船が北転船 と呼ばれる。 当時の沖合い底曳船は、「北洋底魚漁業」に示した独航船のように、100トン以下の木造船で、「かけまわし」 漁法を行っていた。これは限られた馬力の主機関と限られた大きさの船を用いて深く荒い海底の漁場で操業できる 漁法であり、北日本では底魚類はもっぱらこの漁法によって漁獲されていた。 北洋の気象を考慮し、船は大型化したものの、漁法は「かけまわし」のままであった。その後、オッターボード に近い拡網板を用いるようになったが、基本的には依然網を曳かない「かけまわし」のままであった。 1960年代末には網を曳くように変わり、350トン級の2層甲板の船に船型が安定し、網の大型化に伴って主機関は 2,500馬力から3,000馬力まで増強された。また、伝統的に荒い海底の漁場で操業する傾向があり、電子機器の進歩 に支えられた多種多様の電子機器を備えている。 このように、特定の漁業政策によって漁場を転換した船が独特の歴史をたどり、独特の船型になった。 このことは興味深い。 日本では、これらの船はトロールに含めないが、漁法的にはトロールである。
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No.2
No.2のスカッパーの線が漁労甲板の高さであり、その下に処理甲板と魚倉がある。 冬の北洋でも操業するために、船橋は丸窓である。 スリミ工船と冷凍トロール船では2基の鳥居型マストがある。しかし、北転船では、前の鳥居型マストは 船橋の後面で代用し、鳥居型マストは1基だけである。 できるだけ大きな網を少ない動作で扱うために船橋は著しく前に偏る。 着氷を少なくするために、手すりや支索は少ない。
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No.5
No.6
No.4では砕氷板が見られる。 No.5では、身網を前に曳き寄せるブロックが船橋後面上端についていることを示す。
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No.9
350トンの船でも縦型曲面オッターボードを使っていた。その大きさは車と比べれば分かる。 No.9では転落防止のスタンゲートドアがついている。これは初期の大型スリミ工船や冷凍トロール船にも 付いていなかった。
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No.11からNo.18までは船橋の写真である。次々に機器を追加し、その間を乗組員がやっと通れるくらいしか あいでいない。
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ここは、通常航海用と見張用で、漁労作業に関する操船は船橋後面にあるコンソルで行われる。
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No.16
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No.1からNo.5に2基ずつのレーダアンテナが写っていることからも分かるように、北転船ではすべての機器が 2組ずつあり、1台が故障しても差し支えないようになっている。
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![]() [No.19: ft_image_18_11/image037.jpg]
No.20からNo.27までは漁労甲板の下にある処理甲板の写真である。
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![]() [No.21: ft_image_18_11/image041.jpg]
![]() [No.22: ft_image_18_11/image043.jpg]
No.23
No.24
No.25
No.26
![]() [No.27: ft_image_18_11/image053.jpg]
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