漁業技術の画像集・FishTech
著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
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第 4 部 50 その他 14 各地の魚市場 14-12 下関等 下 関 下関には3つの市場があり、それぞれ機能が異なる。その他にいくつかの漁協には地元の漁船による漁獲物を扱う 小規模の競場がある。下関漁港にある市場は、地方の集荷市場の例である。下関の名物であるフグは彦島の南風泊 にある専用の市場で扱われる。市内の唐戸には、普通の都市にあるのと同じ消費市場がある。それらについて記す。 漁港の市場 地方の集荷市場の例として、下関漁港における沖合底曳網漁船の漁期における水揚げの模様を示す。下関は韓国に 近いので活魚その他が輸入される。地方の魚市場に直接輸入される例として示した。
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No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
船のデリックと漁港備え付けの電動コンベで揚げられる。日本ではある時代には、漁船員の給与は陸上における 給与をはるかに上回り、入港中には休養を第1に考え、荷役は陸上の会社が手配した人によって行われた。漁獲物の 荷役は乗組員の仕事でないとして扱われた。しかし、燃料費の高騰と、機械化が進み船上の労働が以前ほど重労働 でなくなり、海上労働の賃金上昇が陸上ほどでなくなった。賃金面での海上労働の優位性を保つため(あるいは、 陸上における上昇に迫るため)荷役は乗組員の作業に変わった。
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No.9
No.10
No.11
No.12
No.13
No.14
No.15
No.16
No.17
No.18
No.19
No.20
No.21
No.22
古い箱を使うので、箱には昔の以西底曳網の会社名が多い。箱に社名のないのは、韓国から輸入した鮮魚の可能性 が高い。 No.22は送られてきたサバである。鮮度のよいサバはこのように扱われ、高値で取引される。サバは大衆魚から負荷 価値がつけられ高級魚に近づいた。 沖合底曳網による漁獲物の他に、巻き網による漁獲物も取引される。以西底曳網による漁獲物はトラックで送ら れてくる。 競落とされた魚は、以前には競場に平行にあった引込線から貨車で出荷されていた。ここの柱の間隔は貨車の長さに 合わせ狭かった。しかし、トラック輸送に変わったので新しい部分では、柱の間隔はトラックを動かし易いように 広げられた。
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No.24
No.25
No.26
No.27
No.28
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日本漁船による漁獲物だけでなく、輸入活魚が見られることが西日本の集荷市場の特徴である。
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No.30
南風泊 下関はフグで有名である。これは下関市西端彦島の南風泊にある専用の市場で取引される。
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No.3
No.4
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No.6
No.7
No.8
No.9
No.10
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No.12
No.13
No.14
この場合はNo.13に示すように、小さなカゴに入れたサザエが輸入された。このサザエはカゴのままNo.14に示す イケスで保管される。 背景の建物はフグの競場である。その後に加工団地が続く。
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No.16
No.17
唐 戸
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No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
内部には漁港の魚市や沿岸の漁村から運ばれてきた魚が並べられている。その他、普通の消費市場に見られる 小口の鮮魚と各種の加工品が見られる。これは他の地方における消費市場と大差ない。 No.3にはクジラから作った「ベーコン」が見られ、かつて捕鯨の根拠地であった面影がみられる。No.5とNo.6 ではフグをおろしている。フグの調理には特殊の免状が必要である。ここには特殊の習慣がある。フグは最初に 目方が計られ値段をきめられる。これはサシミにされる肉だけの値段である。ヒレはヒレ酒やサシミの飾りに、 皮膚等もサシミに利用される。アラも味噌汁にされる。これらは一旦買った魚からのものでも、代金を別に払わ なければならない。 これらの写真を撮影後、唐戸市場は新しい建物に移った。
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