漁業技術の画像集・FishTech
著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
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第 5 部 14 サウディアラビアの漁業 [ 1 ][ 2 ] 5.魚市場等 Jiddahの魚市場 市の中心部を占める商港(紅海岸最大)の南の外れに、幅約20m奥行約50m、高さ約50cmのコンクリートの床に 屋根を葺いただけの魚市場がある。 ここで取引される魚は近くの海岸に直接揚げられるものの他に、Yanbu’ al Bahr(約350km北で、立派な舗装 道路が続く)以南の各漁村から運ばれる。 Jiddahの市場
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No.2 市場内では、大きな魚は頭を上にして吊下げて売られる。一本釣は1航海約2週間だが、氷蔵された魚は その割には鮮度が良い。磯魚類の他に、表層魚類も見られる。吊下げられている魚はいずれも大きい。魚は丸のまま (鰓や内臓を除いていない)である。時々水をかけて乾燥を防いでいた(淡水は貴重なので、海水と考えられる。 しかし、そのための水道の設備はみられなかった)。中央やや右寄りに座っている子供の前にあるのは、水タバコ を吸う仕掛けである。 No.3 手前の魚は調理の下拵えとして、切れ目を入れてある。しかし、鰓と内臓を残したままである。 No.4 同じ種類の魚は束にして売られる。1束の尾数は大きさによって異なる。 No.5 市場の周囲では小魚を束ねて売られる。ここでは、魚は直射日光に曝されている。水や氷は使われない。 No.6 市場の周囲で売られる魚 束ねる尾数は、魚の大きさによって異なる。 左端には、ここの人が好んで飲むシャイ(砂糖がたくさん入った冷たい紅茶)が見られる。 No.7 サメ 保蔵しておくと、アンモニア臭がするのは避けられない。しかし、普通に取引されていた。 No.8 市場では魚類以外は、ほどんど見かけない。貝類は見られず、魚類以外ではガザミと小エビだけであった。 No.9 サメの乾物 市場の周囲では乾物が売られる。しかし、その量は少ない。市外では、保蔵設備がなく、乾物 はもっと多く取引されると考えられるが、これは別の流通経路によるのだろう。 No.10 小魚の乾物は小さな山の単位で売られる。 No.11 Arabia料理には塩をほとんど使わないが、塩蔵した魚は小さな山にして売られていた。
市内の魚屋とスーパーマーケットの魚コーナー ![]() [No.12: ft_image_5_14/image163.jpg]
No.13
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No.13−No.14 その内部 No.15−No.16 そこで売っている輸入した半調理品 No.17−No.18 市内のスークにある漁具資材店 Riyadhの魚屋 ここには、約500km離れたArabia湾岸から氷蔵した魚がトラックで運ばれてくる。Jiddahその他の生産地の市場 は朝(または朝夕2回)開かれるが、ここではそのトラックが着く夜に開かれる(昼は暑くて人は出歩かないことも、 夜間に市場が開かれる原因の1つだろう)。 氷を十分に使っているが、鮮度はあまり良くない。 ある程度種類毎に分けて冷凍ショーケースに入れて売られる。紅海側ではあまり見られなかった小さな魚も売 られる。これは、紅海側にはそれらを漁獲する方法が見られなかったが、Arabia湾側には底曳網等それを漁獲する 方法のあることを意味する。 売られている魚の大部分は底魚類であるが、一部表層魚類も見られる(No.4はボラ、No.12はカツオ類、No.17は サワラ、No.19はダツ)。ほとんどの魚は内臓を除いていないが、一部の大きな魚は頭と内臓を除いてある (No.15、No.17)。
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No.18 大型のエビ これは、サソリと似ているので、Arabia人は好まない。 ここでも魚類以外は、少量のエビしか見られなかった。 Yanbu’ al Bahrの魚市場
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船溜りでは、1日に朝夕2回市場が開かれる。(No.1、No.2) 魚は種類毎に分けて一定量束ね、頭を上にして吊るか、台にのせるか、地面に並べて売られる。魚を乗せて売る 台は氷蔵箱の廃物が多い。 売られた魚は、頼めばここで料理の下拵えされる。しかし、ヒレをペンチで落とし、鱗はワイヤーブラッシで 落としていた。(No.12) No13−No.14 町の中に新しく作られた市場 (野菜市場としては使えるだろうが、魚市場としては船溜りから の輸送と廃水等問題が残っている) Jizanの魚市場
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No.1 船溜り近くの魚市場 No.2−No.3 ここでは尾を結んで、柵にかけて売られる。内臓は除いてある。長時間氷蔵する魚は、鰓や内臓が 除かれるのは、他の国では普通の習慣である。しかし、この国の他の地方では、この習慣が見られなかった。 No.5−No.7 小さな魚は束にして売られる。 No.8 漁師が小魚を塩蔵にしていた。 No.10−No.11 サワラは腹開きにして内臓を除いてある。この地区では内臓を除いて売るが、他の地区ではこの ような習慣は見られない。 No.12−No.13 乾物や開きにした魚も売られる。No.13の前景は舟の肋材に使う材木 魚を食べる習慣は深く、市内の市場では大きな魚を切り身にして売り、約30km離れた道路でも切り身にした魚を 草の葉で吊るして歩いている人を見かけた。 Arabia湾岸の魚市場(Qatif)
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No.3−No.4 塩蔵の小魚 Omanから輸入し、家畜の飼料用である。 No.5−No.6 扱う魚の種類と扱い方が他の地域と異なる。
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