FishTech - Photographs of Fishing Techniques
漁業技術の画像集・FishTech


著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
Compiled by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan

協力者/水産大学校助教授 深田耕一
in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan


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    第 6 部
    24 ウルグアイで見られた漁船
    (漁法と漁獲物の流通を含む)



        Uruguay労働大学(Universidad Trabajo del Uruguay)の海事学校(Escuela Tecnica Maritima)の漁船員養成 コースに対してカリキュラム改定について助言をするために、1989年11月から1990年1月までの60日間Uruguayに 派遣された。労働大学とは、日本におけると考え方が異なり、Uruguay全国にある実業高校と職業訓練機関の集団 を指す。その一部である海事学校は、漁船の甲板員と機関員養成や造船・船舶修理・木造船の建造に従事する人材 の養成を目的とし、日本の水産高校よりも職業訓練校の色彩が強い。(Universidadとは、各分野の教育機関の 総合体を示し、日本で言う「大学」を意味しない。南米では他の国でもこのように使われることがある。)

     カリキュラムの助言をするための、基礎として、できる限り漁業の実態と他の業種の従事者を養成する同程度の 職業訓練機関の現状を知るように勤めた。この写真集は、その際に集めた資料のうちの、漁業に関する部分の抜粋 をコンピュータ表示するために、次のファイルに分けて入れてある。なお、それぞれのファイルに入っている写真 に関する簡単な説明はファイル「Uruguayで見られた漁船」として加えた:

    大型漁船
    小型漁船
    魚の消費
    付録  海事学校
    地図



    大型漁船

     Uruguay(特にその首都であるMonte-video)は、各国の200浬外に残されたトロール漁場とイカ釣漁場に近い ことと、外貨の扱い等のために、かっては年間数百隻の日本漁船(主にトロール船・イカ釣船及びマグロ延縄船) が入港した。Uruguayに関するこれらの条件は、他の漁業国の漁船に関しても当てはまり、多数の外国漁船が当時 でも入港していた。

     Uruguay船籍の漁船は船体を赤く塗装しているので分かるが、外国から中古漁船を輸入して使うので、構造には 建造された国の特徴が残っている。Montevideoに係船されている船を見ると、漁業先進国が次々に新船を作り、 そのためにできた廃船(まだ十分に使える)を購入し、かなりあとまで使っていることが分かる。

     それらの他に、東欧諸国の漁船や韓国の漁船が多数係船してあった。それらの大部分はトロール船であり、一部は 自動イカ釣機を装備したトロール船とマグロ延縄船であった。トロール船の漁獲物は近代設備で加工され、主に ヨーロッパに輸出される。小型漁船の漁獲物は地元で消費される。

    No.1-1
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    No.1-2
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    No.1-3
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    No.1-4
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    No.1-5
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    No.1-6
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    No.1-7
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    No.1-8
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    No.1-9
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    No.1-10
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    No.1-11
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    No.1-12
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    No.1-13
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    No.1-14
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    No.1-15
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    No.1-16
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    No.1-17
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    No.1-18
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    No.1-19
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    No.1-20
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    No.1-21
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    No.1-22
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    No.1-23
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    No.1-24
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    No.1-25
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    No.1-26
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    No.1-27
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    No.1-28
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    No.1-29
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    No.1-30
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    No.1-31
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    No.1-32
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    No.1-33
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    No.1-34
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    No.1-35
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    No.1-36
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    No.1-37
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    No.1-38
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    No.1-39
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    No.1-40
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    No.1-41
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    No.1-42
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    No.1-43
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    No.1-44
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    No.1-45
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    No.1-46
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    No.1-47
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    No.1-47
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    No.1-49
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    No.1-50
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    No.1-51
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    No.1-52
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    No.1-53
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    No.1-54
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    No.1-55
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    No.1-56
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    No.1-57
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    No.1-58
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    No.1-59
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    No.1-60
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    No.1-61
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    No.1-62
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    No.1-63
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    No.1-64
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    No.1-65
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    No.1-66
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    No.1-67
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    No.1-68
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    No.1-69
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    No.1-70
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    No.1-1−No.1-8  離れたところに係船されている漁船団  これらは主に東欧系諸国のトロール船で、魚価 (主にイカ)が低迷していたので係船中であった。これらは遠くに係船してあり、写真を拡大しても細部は 分からないが、その多さを示す。

    No.1-7  前景右端は韓国のトロール船で、この船はNo.1-12に示す。

    No.1-8とNo.1-9は続く。No.1-8の右端は台湾のマグロ延縄船である。

    No.1-9  左の4隻のうち、白い3隻はマグロ延縄船で、自動イカ釣機を付けている。左から3隻目の船体が赤い船は、 色から考えてUruguay船籍の船である。船尾の構造によれば、元来大目流し網漁船であったが、撮影当時は自動イカ 釣機を装備していた。

    No.1-10 Uruguay船籍のトロール船

    No.1-11 ソ連のトロール船

    No.1-12  韓国のトロール船

    No.1-13  前景と遠景の右はUruguay船籍のトロール船

    No.1-14  サイドトロール船 トロール船は約30年以上前に、サイドトロール船から船尾式トロール船に 変わったので、稼動中のサイドトロール船を見る機会はほとんどなくなった。しかし、これらは現在でも稼動 している。

    No.1-15 この写真で見られるのは、すべて船尾式トロール船である。

     以下はほとんどが船尾トロール船である。大部分は岸壁に船尾着けになっているので、全体の船型は分からない。

     トロール船は、ほぼ同じような網を使って同じように底魚類を漁獲するにもかかわらず、建造された国によって 概形が異なり、異なった発想法によって細部が造られ、それぞれの船の構造は特徴的である。

    No.1-16  No.1-9の右に続く。手前の船体が黒く、船尾だけが見られる船は韓国のトロール船である。角型の船尾 だけが見られる(1隻は白、他の1隻は赤)船は元来マグロ延縄船と大目流し網船である。赤く塗られているのは、 アルゼンティン船籍の大型船かUruguay船籍であることを示す。

    No.1-17  手前から3隻目の赤く塗った船は、船型から見るとUruguay船籍のサイドトロール船である。横長楕円 オッターボードを使っている。しかし、サイドトロール船として不可欠のギャロースが前のマストの舷側にないので、 サイドトロール船を使って船尾で曳網すると考えられる。

    No.1-18とNo.1-19  両舷側には隔壁があり、風波から遮蔽された甲板で作業ができるようになっている。これは 北欧のトロール船の特徴である。船橋は狭く、あまり多くの計器類を装備できないと考えられる。

    No.1-20  英国のトロール船で、スタンガントリー付近の構造が分かる。舷側が高く、風波から遮蔽された甲板で 作業できる。トロールウインチは居住区のすぐ後ろにあるが、その横は空いており、袖網を前の方まで引き込むこと が考えられる。

    No.1-21  ソ連のトロール船  トロールウインチのコントロール室は後方にある。画面の左端近くの構造の機能 は分からない。

    No.1-22  船橋は低く、横に長い。トロールウインチは高い位置にある。

    No.1-28  船尾の近くに高いガントリーがあり、それで揚網する船の船尾付近の構造。

    No.1-29  自動イカ釣機を装備している。

    No.1-30  自動イカ釣機を装備した韓国のトロール船。

    No.1-31  ブラジルに回航途中の漁船(もとは日本で底曳漁業に使われていたが、ブラジルでは延縄船として 使う予定であるとのことであった。しかし、底曳船と延縄船では、異なった性能が要求されるので、疑問が多い。 関係者がそこまで考えているのか、知っていても、このようなことにしているのかは、疑わしい。)移動中である ので、パナマ船籍になっている。

    No.1-32  もとは日本のマグロ延縄船であったが、船籍をUruguayに移してイカ釣に従事する。船首先端の輪は イカ釣の際にパラアンカーを揚収するために使う。

    No.1-33―No.1-46 先に示した船よりも小さく、Uruguay船籍のトロール船である。ほとんど1隻ずつ構造が異なり、 したがって網の操作が異なる。

    No.1-33  スリット付きの横長楕円オッターボードを使う。本来は船の最後端近くにあるガントリーを使って 揚網していた船だが、船尾にドラムを付け、現在は網の大部分をそれで揚げ、コッドエンドだけをガントリーで 揚げて、漁獲物は中央の樋で前にある魚倉まで運ばれると考えられる。

    No.1-34  船尾にドラムを装備する。コッドエンドだけは、この写真の前の端近くで揚げられる可能性が、 ワイヤーの走り方から考えられる。

    No.1-39  このジョウゴの機能は分からない。

    No.1-41  右舷手前の漁具は底延縄の可能性がある。

    No.1-44  一般に、トロールウインチの軸は正横方向で、ワープは後に伸びる。しかし、この船ではトロール ウインチの軸は船首尾方向で、ワープは左右に出され、舷側で90°曲げて後方に伸ばす。フロリダ型ダブルリガー のワープはこの様であり、同時に2統の網を扱う。しかし、この船では2統の網を扱うようになっていない。

     ウインチの軸がこのような方向に走るもう1つの漁法は米式巾着船である。この船をトロールに転用したと 考えられない。もう1つの可能性は米式巾着船のウインチだけを転用したことであるが、その可能性は疑わしい。

    No.1-47−No.1-54  Montevideo港を出入港しているトロール船

    No.1-54とNo.1-55旧ソ連型のサイドトロール船である。しかし、No.1-54は船体を赤く塗装してあるので、 Uruguay船籍である。この型のトロール船は約30年前になくなったと考えられているが、現在でも稼動していた。

    No.1-55−No.1-58  Piriapolisに停泊している漁船。これらはアルゼンティンの漁船である。拡大してみると No.1-56の右側の船にはアルゼンティンの国旗が揚がっている。船はアルゼンティンの小型漁船の色である黄色 に塗装してある。漁獲物を入れる箱は、Uruguayでは半透明の白色だか、アルゼンティンではこげ茶色である。 これらの点でも両国の漁船は区別できる。La Plata河に関する入相漁業協定がある。アルゼンティンは ここから近い。

    No.1-57  トロール船で旋網を使う。効率はよくないだろうが、このような使い方は時々見られる。

    No.1-60−No.1-71  La Palomaにある水産会社  スペインから購入した中古のトロール船を使って漁獲し、 漁獲物を加工して、主にヨーロッパに輸出する。

    No.1-67  No.1-44と同様、軸が船首尾方向のトロールウインチを使う。

    No.1-68  普通はロープかワイヤーロープで作った枠組に網地をかがるような仕立にするが、その代わりに 網地を束ねていた。

    No.1-69  網地は比較的高価なので、実際に使われている網でもこのようなものは普通に見られる。



    小型漁船

    No.2-1
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    No.2-2
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    No.2-3
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    No.2-4
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    No.2-5
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    No.2-6
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    No.2-7
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    No.2-8
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    No.2-9
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    No.2-10
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    No.2-11
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    No.2-12
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    No.2-13
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    No.2-14
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    No.2-15
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    No.2-16
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    No.2-1−No.2-16  Montevideo付近で見られた漁船  主な漁法は刺網と延縄である。しかし、小型漁船には ネットホーラやラインホーラは見られない。動力は船外機である。これでは、漁具を操作にも用いるためには他に 追加しなければならない装置が必要になり、その経費とスペースの点で問題がある。ほとんどの船にはマストがある。 少なくとも一部の船では、船尾に舵があり、船外機を付けられないので、帆走する。しかし、帆走は操業中の 細かな移動には使えない。小さな船でも甲板を張ってあり、一部甲板を張っていない所に立って漁具を扱うことも 特徴的である。

    No.2-3  前景の船は帆走、後ろの3隻は船外機を使う。

    No.2-5  淡水域では、水が流れるところは水草や漂流物があり、刺網は岸近くの底から水草が生えているところ 以外では使いにくいと考えられる。このようなところでは流れがなく、刺網はその他の点でも適している。 したがって、モノフィラメント製の刺網が主要漁具になっている。

    No.2-7  刺網か延縄のボンデンが見られる。




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