FishTech - Photographs of Fishing Techniques
漁業技術の画像集・FishTech


著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
Compiled by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan

協力者/水産大学校助教授 深田耕一
in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan


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    第 6 部
    25-06 Mar del Plataの国立水産物集荷
    市場と付近の魚レストラン



          Mar del PlataはBuenos Airesの南約410 kmにあるリゾート地である。Buenos Airesに住む人が夏の休暇や それ以外の季節でも週末を過ごすために市内にアパートを持っている。

     漁港は観光客の散策の場所になっている。一般の人が自由に入られるところには船体を黄色に塗った沿岸漁船 (全長24m以下)が着いている。そこに魚市場と魚レストランがあった。この魚レストランは学校の建設に伴って、 民政移管後の経済停滞期が終わる頃には学校の近くに移築された。しかし、魚市場はそのままであった。

     アルゼンティンでは、一部の工船と冷凍船は、Necochea・漁場に近いPuerto Madryn・Puerto Deseado・ Ushuaiaを根拠とし、輸出用の底魚類を漁獲する。しかし、淡水漁業は内陸各地に見られるだろうが、沿岸漁業 はMar del Plataに集まっている。

    Mar del Plataの魚市場は、Mercado Nacional Concentracion de Puerto Mar del Plata(直訳すれば、 マルデルプラタ港の国立魚類集荷市場)となっている。しかし、他の土地にはこのような市場はない。この市場は、 経済省の水産局に属し、主に沿岸漁業の漁獲物を扱う。アルゼンティンにおける工船と冷凍船は、加工場を持つ 会社に属し、漁獲物をそこで加工して輸出に向けられる。しかし、漁獲物の一部はこの市場でも扱われる。

     No.1は魚市場の外形の写真である。外を観光客が歩いている。

    No.1
    [No.1: ft_image_6_25_06/image001.jpg]

     No.2とNo.3は内部の写真である。沿岸漁船の漁獲物よりも、大手の会社の船による漁獲物が運込まれていた。 ここは集荷市場なので、小売の設備はなく、一般の人ははいらない。

    No.2
    [No.2: ft_image_6_25_06/image003.jpg]

    No.3
    [No.3: ft_image_6_25_06/image005.jpg]

     No.4からNo.6までは、市場内の掲示板である。これらを見ると、この市場の機能が分かる。

     No.4は、入荷量用の掲示板だろうが、量は書いてなかった。魚の名前が、魚類・甲殻類・貝類の別なく、 アルファベットの順に書かれている。魚の名前は、普通はその国で行われる何らかの基準に従って並べられる だろうが、奇異に感じられた。

    No.4
    [No.4: ft6/ft_image_6_25_06/image007.jpg]

     当日(’85年3月2日)に入港する船の、入港時刻・船名・主な漁獲物名が時間を追って書いてある。加工場を 持つ会社の持船の名前が見られる。主な漁獲は底魚類である。カツオの名前が見られるが、それは沿岸漁船による 漁獲物である。

    No.5
    [No.5: ft_image_6_25_06/image009.jpg]

     事務所からの通達用の掲示板である。撮影したのは3月2日であるが、2月28日で、仲買人とその助手の許可証 が更新になったので、更新をすませていない人の立入りを禁止する通達である。

    No.6
    [No.6: ft_image_6_25_06/image011.jpg]

     No.7とNo.8は沿岸漁船の漁師が市場の外で直接魚を売っている光景である。並べられているのは、イワシ類らしい。 これは小型の旋網で漁獲される。魚種と大きさによって分けてある。観光客が見ている。しかし、ここに観光にくる 人の多くは市内にアパートを持っているので、そこで料理をできるが、買う人よりも見ている人の方が多い。

    No.7
    [No.7: ft_image_6_25_06/image013.jpg]

    No.8
    [No.8: ft6/ft_image_6_25_06/image015.png]

     No.9とNo.10は売れ残った魚である。かなり質が悪い。近くのフィシミール工場でミールに加工されるとのこと であった。

    No.9
    [No.9: ft_image_6_25_06/image017.jpg]

    No.10
    [No.10: ft_image_6_25_06/image019.png]

     魚レストランは以前には漁港の敷地内にあった。それを学校と漁港の間に移築中であった。ほとんどは魚料理 を扱う。それぞれの店には個性があり、魚料理だけの専門店・鮮魚も扱う店・缶詰も扱う店・輸入品を含め加工品 を扱う店等がある。やや大衆的な店から高級レストランの雰囲気のある店まで見られる。数年に渡って少しずつ 工事が進んでいた。

     経済変動が烈しい時期であり、入っている人数はそれによって変動する。それでも、家族連れが多い。アルゼン ティンではここまででかけてくるなら、魚料理を食べようという風潮が感じられた。ただし、ここでは夕食は9時 頃始まり、盛り上がるのは12時頃である。これらの写真は昼間に撮ったので、盛り上がり方は表現していない。

     壁画が見られるが、その画風からアルゼンティン人の海に対する受け入れ方が伺える。

    No.11
    [No.11: ft_image_6_25_06/image021.jpg]

    No.12
    [No.12: ft_image_6_25_06/image023.jpg]




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