1800年代(西暦19世紀)
1800年 伊能忠敬が蝦夷地を測量する。
1805年10月 トラファルガーの海戦で、ネルソン提督が率いるイギリス艦隊(旗艦ビクトリー)がナポレオンのフランス・スペインの連合艦隊を
破る。
1807年 アメリカのフルトン、初めての蒸気船「クラモント」を試運転する。
1808年 「フェートン号」事件。
1809年 間宮林蔵、カラフト探検を行なう。
1819~21年 ロシア人ベリングスハウゼン、南極大陸を周航する。
1819年 米国の機関付き帆船サヴァンナ号が、大西洋の米英間を初航海し、大西洋横断に成功する。
1821年 イギリスにて初めて鉄製汽船「アーロン・マンビー」が建造される。
1823年 シーボルト、長崎に来航する。
1825年 外国船打ち払い令が発布される。
1831~36年 イギリス人チャールズ・ダーウィン、帆船ビーグル号ににて航海し、科学的調査を行なう。
1837年 イギリスにてスクリュー船「アルキメデス」が建造される。
1837年 技師オーガスタス・シーベ(ドイツ生まれ)、空気を送り込めるヘルメットと潜水服を発明する。
1839年 大阪で3,300石積みの大型帆船が建造される。
1839-1843 ジェイムズ・クラーク・ロス(英国)、北極へ調査に赴き北磁極を特定した。南磁極の発見や南極の科学的調査に関心が向けられる
きっかけとなった。その後、南極のアデア岬、ロス海、エレバス山、ロス島、ロス棚氷(たなごおり)など多くを発見した。
1839年 ダーウィン、「ビーグル号航海記」記す。
1840年 英国・清国間でアヘン戦争が勃発する(~1842年)。
1841年 ジェイムズ・クラーク・ロス(Ross, James C.)によって南極海域のロス海が発見される。ロス海にあるロス棚氷(Ross Ice Shelf)の
北東部には白瀬海岸がある。
1841年(天保12年) ジョン万次郎、乗組んでいた漁船が遭難する。漂流生活の末に米国捕鯨船に救助され渡米した。米国で教育を受け、
また捕鯨船員などとして働き、約10年後の1851年(嘉永4年)に帰国する。「咸臨丸」で、勝海舟、福沢諭吉らと共に、1860年(万延元年)
再渡米し、外交使節の一員として貢献する。
1845年 航洋スクリュー船「グレート・ブリテン」がイギリスにて建造される。
1849年 英国、航海法を廃止する。
1853年 米国東インド艦隊司令長官ペリー、浦賀に軍艦4隻を率いて浦賀に来航する。江戸幕府に大統領の国書を提出し、
通商を請い、日本に開国を迫る。
1854年 江戸幕府、大船建造の禁を解き、洋式帆船の建造が始まる。
1854年 日米和親条約の締結。
1855年 米国マシュー・フォンテーン・モーリー(Matthew Fontaine Maury)、海洋の地理学「The Physical Geography of the Sea」を出版する。
なお、彼は1851年を皮切りに、海洋を航行する船舶の航海日誌を収集し、「風と海流の図 Wind and Current Charts」を発行した。
1858年 日米修好通商条約の締結。
1858年 イギリスにて19世紀最大の船「グレート・イースタン」が建造される。
1858年 日米修好通商条約を締結する。
1859年 最初の国際開港場として、神奈川、長崎、函館の3港が指定される。
1859年 スエズ運河起工。
1860年 「咸臨丸」がアメリカへ渡海する。我が国初めての汽船による太平洋横断。
1866年 大西洋横断海底ケーブル敷設。
1867年 将軍徳川慶喜が大政奉還する。王政復古の大号令が発布される。
1867年 兵庫(神戸)が開港される。
1867年(慶応3年) 坂本竜馬が乗船し兵器などを輸送していた蒸気船「いろは丸(伊呂波丸)」(160トン)が紀州藩所属の「明光丸」(880トン)の蒸気船と
瀬戸内海にて衝突し、「いりは丸」が沈没した(いろは丸事件)。竜馬は現代にいう貿易商社「亀山社中」(「海援隊」の前身)を設立し、外国人から
武器を買い入れ売りさばくための廻船業を経営していた。竜馬は1867年11月33歳にして他界する。
1868年 鳥羽・伏見の戦いが起こる(戊辰戦争、~1869年)。明治維新。江戸を東京と改め、日本の首都となる。
1869年11月 スエズ運河が完成し開通する。英国にとって中近東、インドなどの帝国支配において運河ルートの支配が死活的に重要となってきたため、
ディズレーリー首相は、1875年、スエズ運河会社の株式を買収しその支配権を握る。
1869年 観音崎灯台が創建される。西洋式灯台の始め。
1871年 日本で初めての国産鉄船「新潟丸」が建造される。廃藩置県が実施される。
1872年 新橋~横浜間に鉄道が開通する。
1872年~76年 英国軍艦「チャレンジャー6世号」による3年半の世界海洋探検・海洋科学調査研究の周航において、
マンガン団塊は世界で初めて深海底から引き揚げられ、以来その存在は知られてきた。しかし、人類はその商業的採鉱をまだ経験
していない。また、同艦はマリアナ海溝の最深部を発見した。
1875年 日本初めての外国航路である「上海航路」が開かれる。
1876年 明治天皇が東北巡幸の帰途初めて軍艦以外の汽船「明治丸」に乗船する。後に海の記念日の起源となる。
1877年(明治10年) 米国人モース博士、大森貝塚(relic of Omori Shell Mound)を発見する
1881年 フランス人レセップス、パナマ運河起工する。1889年運河工事を放棄する。1894年工事失敗にいたる。
1885年 明治20年以降は500石以上の日本型船の建造が禁止される。
1888年 フランス海軍によって世界初の電動式潜水艦が建造される。
1889年 イタリアの「バルサXD」、水深165mまで潜水する。
1890年(明治23年) エルトゥールル号遭難事故発生する。1890年9月16日夜半に、当時日本に親善訪問のため来航していたオスマン帝国の軍艦
エルトゥールル号が、その帰途において、現在の和歌山県串本の紀伊大島の樫野埼(かしのざき)東方海上にて岩礁に打ちつけられ遭難した事件
である。トルコ人犠牲者500名以上を出したが、村民の献身的な救助活動で69人が救われた。日本帝国海軍の「比叡」、「金剛」の軍艦2隻(日清、
日露戦争で活躍をした)でトルコ人をイスタンブールに送り届けた; 日露戦争の作戦を立案した秋山真之も同行した)。
1893-1896年 フリチョフ・ナンセン(Nansen, Fridtjof; ノルウェー)、「フラム号」にて北極遠征を行なう。
1894年 イギリスにてタービン試験船「タービニア」が建造される。
1894年 日清戦争始まる(~1895年)。
1895年(明治28年)1月14日 日本、尖閣諸島の領土編入につき閣議決定する。
1897年 ドイツにてディーゼル機関が発明される。
1898年 欧州航路貨客船「常陸丸(ひたちまる)」建造は、6,000総トン以上の商船建造の事始めとなる。
1900年代(西暦20世紀)
1901-1904年 ロバート・ファルコン・スコット(英国)、「ディスカバリー号」による英国第一回国家南極探検隊の隊長として南極点到達
を目指した。ロス島ハット岬で2年続けて越冬し、初めて南緯80度を越えた。
1902年 ドイツにて世界最大のシップ型帆船「プロイセン」が建造される。
1903年 コロンビアからパナマが独立。米国、パナマと運河条約に調印する。
1904年 米国、パナマ運河を再起工する。
1904年 日露戦争始まる(~1905年)。
1905年 日本海海戦。
1906年 イギリスにて初めての3万総トン級船「モレタニア」が建造される。
1906年 スクーナー型帆船「トーマス・ダブリュー・ローソン」が建造される。
1908年 4月28日、第一回ブラジル移住船「笠戸丸」が神戸港を出港する。6月18日にブラジル・サントス港に到着する。
1908年 北米航路客船「天洋丸」は日本初の1万総トン以上の商船建造となる。タービン船の建造、燃油、無線電信装備の事始めとなる。
1908年 正確に真北を示すジャイロコンパスが開発される。
1909年 米国探検家ピアリおよびヘンソン、北極点に到達する。
1909年 アムンゼン、南極に到達する。
1909年 ロバート・エドウィン・ピアリー(米国)、北極点に初めて到達した。[注]ピアリーの成功の結果、北極点到達を目指していたアムン
センや白瀬は目標を南極点到達に切り替えた。
1910-1913年 ロバート・ファルコン・スコット(英国)、「テラノバ号」による二回目の南極点到達を目指した。1912年1月中旬南極点に到達した。
しかし、スコットはアムンセン隊に先を越されたことを知り、大きな失意を抱きつつ帰路に就く途上に猛吹雪に遭遇し、3月29日に、燃料と食糧
のある補給基地まで後18㎞という地点で全員遭難した。
1910-1912年 ローアル・アムンセン(Roald Amundsen、ノルウェー)(日本ではロアルト・アムンセンなどと表記されることがある)、犬ぞり用の犬116頭を準備し、鯨湾(くじらわん)のフラムハイム基地で越冬した
アムンセン隊は、1911年12月14日に人類史上初めて南極点に到達し、無事帰国した。アムンセンは英国海軍大佐ロバート・スコットと人類初の南極点
到達を競った。
1910-1912年 白瀬矗(しらせのぶ)、欧米以外の民族では初めて南極に上陸し、南緯80度05分に到達し、付近一帯を「大和雪原」と命名した。
Nansen, Fridtjof.
1911年 清国で辛亥革命が起こる。
1912年 大西洋横断豪華客船「タイタニック」、西大西洋上にて氷山に接触し沈没する。
1912年 白瀬矗(のぶ)中尉(1861~1946年)、帆船「開南丸」にて日本人で初めて南極探検に出立し、1912年1月28日、南緯80度5分
に到達し、そこを「大和雪原(ゆきはら)」と名付ける(南極点まで未だ1,000km以上を残していた)。
1912年 アンシュッツがジャイロコンパスを試作した(ドイツ)。
1914年(大正3) 第一次世界大戦が始まる(~1918年)。同年8月、日本がドイツに宣戦布告する。
1914年8月 パナマ運河が完成・開通する。
1914年 デンマークにて初めての航洋ディーゼル船「セランディア」が建造された。
1916年 ユトランド大海戦でイギリスとドイツの軍艦323隻が北海で交戦する。
1917年 ロシア革命が起こる。
1920年 国際連盟が発足する(~1946年)。
1920年 イギリスにて、貨物船「フラガー」が世界最初の全溶接船として建造される。
1923年 瀬戸内海客船「音戸丸」、ディーゼル船の建造の事始めとなる。同年9月1日関東大震災が発生する。
1924年 貨物船「赤城山丸」、航洋ディーゼル船建造の事始めとなる。
1929年 豪華客船「浅間丸」建造される。世界大恐慌が起こる。
1931年 満州事変(柳条湖事件)起こる。
1934年 米国人ビービーとバートン、ケーブルによって吊り下げられた潜水球「バチスフェア」に乗り、水深約920mまでの深海潜水に成功する。
1934年 米国にてレーダーが発明される。
1935年 フランスにて客船「ノルマンジー」が建造された。7万総トン級船の建造の始まり。
1936年 イギリスにて客船「クィーン・メリー」が建造される。8万総トン級の建造の始まり。
1937年 日中全面戦争始まる(盧溝橋事件)。
1939年 第二次世界大戦始まる(~1945年)。
1941年 世界最大級の戦艦「大和」建造される。太平洋戦争始まる。
1943年 ジャック・イブ・クストーが仲間とアクアラングを開発する。
1945年 東京大空襲、広島・長崎に原子爆弾投下、ポツダム宣言受諾、太平洋戦争(第二次世界大戦)終わる、国際連合成立。
1948年 スイスの物理学者オーギュスト・ピカール(Auguste Picacard; 1884-1962年)、1948年に、バチスカーフ(深海[生物調査用]
潜水艇・bathyscaph, -scaphe)を完成した.
1950年 朝鮮戦争始まる(~1953年)。
1951年 サンフランシスコ講和会議、日米安全保障条約が調印される。1952年サンフランシスコ平和条約が発効する。
1952年 双曲線航法「ロラン」が始まる。
1952年 米国客船「ユナイテッド・ステーツ」が大西洋横断の新最速記録を作る。
1952年 戦後初めて日本からブラジルへの移住が再開された。
1953年 先に「バチスカーフ」と呼ばれる深海潜水艇を開発していたスイス人オーギュスト・ピカール(Auguste Piccard)は、1953年にバチスカーフ・トリエステ号
(Bathyscaphe Trieste)を製造する。なお、同号は1958年に米国海軍に売却された。1960年トリエステ号に息子のジャック・ピーカール(Jacques Piccard)らが搭乗し、
マリアナ海溝チャレンジャー海淵に潜水し、世界最深潜水深度10,911メートルの記録を打ち立てた。その時のトリエステ号の司令官は米国海軍士官
のドン・ウォルシュ(Don Walsh)である。「ディープシー・チャレンジャー号」が2012年に
ほぼ同深度到達するまで、その有人潜水記録の更新はなかった。
1954年 原子力潜水艦「ノーチラス」が建造される。世界最初の原子力船(アメリカ)。
1954年 米国によるビキニ環礁における水爆実験で第五福竜丸が被曝する。
1956年 日ソ共同宣言(日ソ国交回復)。日本、国連に加盟する。
1956年 「宗谷」、南極観測支援のため南極に出立する。
1956年7月 エジプト、スエズ運河の国有化を宣言する。
1957年 ジャック=イヴ・クストー(Cousteau, Jacques-Yves)、フランス海軍を海軍大佐で退役し、モナコ海洋博物館長に就任する;
クストーはアクアラングの発明者; 調査船カリプソ号で海洋調査研究を行なう; また、1957年、「潜水皿」と呼ばれる深海潜水艇を
開発する.
1958年 英国フックス探検隊、南極大陸を横断する。
1959年 ソ連、原子力砕氷船「レーニン」を建造する。
1960年 ジャック・ピカールおよびドン・ウォルシュ、マリアナ海溝にて潜水艇で1万メートルを超える最深部に到達する。
1961年 自動化船「金華山丸」建造される。
1962年 13万トン級タンカー「日章丸」建造される。
1962年 米国にて原子力貨客船「サバンナ」が建造される。
1966年 20万トン級タンカー「出光丸」建造される。
1966年11月、フランス、ランス河潮汐発電所を完成する.
1968年 日本初のコンテナ船「箱根丸」建造される。
1968年 ドイツにて原子力鉱石船「オットーハーン」が建造される。
1969年 国連アジア極東経済委員会・ECAFEが尖閣諸島周辺を含む東シナ海に有望な海底石油資源の賦存可能性があるとの報告書を発表する。
1970年 超自動化船のタンカー「星光丸」建造される。
1970年5月「海洋法に関するモンテビデオ宣言」(Declaración de Montevideo sobre Derecho del Mar)。
1971年 世界最大のコンテナ船「鎌倉丸」建造される。
1971年 ラッシュ船「アケイディア・フォレスト」(アメリカ船)建造される。
1971年(昭和46年)12月30日 中国が尖閣諸島の領有権を主張する。
1973年 日本で初めての原子力船「むつ」建造される。
1973年 37万トン級タンカー「日石丸」建造される。
1973年 イギリスの48万トン級タンカー「グローブティック・トーキョウ」が日本で建造される。
1973年 米国の30万トン級タンカー「ユニバースアイルランド」が日本で建造される。
1974年 米国、パナマ運河の返還を宣言する。
1975年3~5月 国連海洋法会議開催される。
1975年 48万トン級タンカー「日精丸」建造される。
1980年 近代帆船商船「新愛徳丸」建造される。
1984年 日本の漁獲量(養殖含む)が同年に1,282万トンとなり、後先の歴史においてピークとなった。因みに1017年には430万トン
とピーク時のほぼ3分の1に落ち込む。
1985年 37万トン級タンカー「日石丸」解体される。
1991年 ソビエト連邦崩壊する。
1992年(平成4年) 中国、領海法を制定する。
1997年(平成9年) 日中漁業協定(新協定)締結される。