一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
南米大陸の大西洋沿岸を記す1626年の地図
[アルゼンチン、ウシュアイア海洋博物館]
アルゼンチン最南端の港町ウシュアイア(Ushuaia)はビーグル水道(Beagle Channel)に面する。1000kmほど南下すれば、
ドレーク海峡 (Pasaje de Drake/Drake Passage) をはさんで南極大陸がある。⌈南極大陸への港&扉(Puerto y Puerta a la
Antártida)⌋というのが、ウシュアイアのキャッチフレーズである。 ウシュアイアにはいくつかの博物館があるが、その一つが⌈元監獄と海洋博物館⌋(Ex Presidio y Museo Marítimo de Ushuaia)である。 現在海軍基地敷地内にあって、元監獄であったという建物の中には多くの監房があり、今ではそれらの一部が博物館の展示室 として利用されている。 画像は、海洋博物館に展示されている南米大陸の大西洋沿岸を記す1626年の古地図である。そのキャプションには次のように 記されている。
Livro que dá Rezão do Estado do Brasil, códice com vinte e duas cartas Livro que dá Rezão do Estado do Brasil, codex with twenty-two charts Instituto Histórico e Geográfico Brasileiro, Rio de Janeiro 画像のちょうど中央部に南北に伸びる太い線 (青色) は、リオ・ダ・ラプラタ川(Río da Prata)と記されており、 現在のラ・プラタ川である。マゼランは⌈北の海⌋ (大西洋) から⌈南の海⌋ (バルボアが西洋人として初めて 視認した海で、現在の太平洋) への海の道と期待し、アジアのモルッカ諸島を目指した。⌈サンティアゴ号⌋(5隻のマゼラン 船隊のうちに一隻)をもってその河川を遡上させ踏査させたが、結局のところ海道ではなく単に川であることが判明した。 彼はその川を⌈ソリス川⌋と名付けた。1520年のことである。当然この1626年地図では巨大な河川として描かれる。 [2014.3.11-12 アルゼンチン、ティエラ・デル・フエゴ島ウシュアイアの⌈監獄および海洋博物館⌋にて] [拡大画像: x26062.jpg] |
ブエノスの対岸にある現在のコロニア・デル・サクラメントという地名は記されていないが、モンテ・ビデオという地名 (現在のウルグアイ首都のモンテビデオ)が朱色文字で記されている。その東の沿岸にリオ・グランデと朱書きされている。 [拡大画像: x26063.jpg] 画像2: 画像中央上に米粒大の島(青色)がある。ここが、1520年にマゼラン船隊が越冬した地のバイア・デ・サン・フリアン (サン・フリアン湾)である。マゼラン海峡と、その東の入り口にあってマゼランがカーボ・デ・ロス・ビルヘネス (Cabo de los Virgenes)と名付けた⌈一万一千の聖母の岬⌋、そしてその少し北にある現在の港町リオ・ガジェイゴスが 記されている。 [拡大画像: x26064.jpg] |