一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
モーロ要塞の突端に立つ灯台 [キューバ・ハバナ]
キューバのハバナ港は、縦横に奥行きをもつ大きな入り江(ハバナ湾)の中にあって、まさに天然の良港である。外洋からハバナ港へは、
幅わずか数百メートル、長さ1kmほどの狭い水路(アクセス運河/Canal de Entradaと称される)が通じるのみである。 ハバナは、スペインの植民地時代、特に17~18世紀にかけて、新大陸との植民地貿易の拠点あるいは中継地として隆盛を極めた。 他方で、英国などの敵対国からの武力攻撃や海賊による略奪などにつねに警戒を怠るわけにはいかなかった。
敵国や海賊からハバナを防御するため、ハバナ湾口(アクセス運河の出入り口)の両岸に、16~18世紀にかけて4つの要塞が築造された。 (2)運河の中ほどの両岸には、フエルサ要塞(Castillo de la Real Fuerza)、およびカバーニャ要塞(Fortaleza de San Carlos de la Cabaña)が築造された。フエルサ要塞は16世紀半ばに築造が開始され、16世紀後半に築き上げられたハバナ最古の要塞である。 (3)4要塞のうち最後に築造されたのがカバーニャ要塞である。1762年にモーロ要塞を迂回して上陸した英国軍によって背後から侵攻され、 同要塞が11か月占領されたことから、防御をさらに堅牢にするため18世紀後半の1774年に、そのカバーニャ要塞が築造された。 画像は、モーロ要塞の敷地内の、運河出入り口突端部に設置されているモーロ灯台(El Faro Morro de La Habana)である。 詳細は不詳であるが、銘板には「キューバ戦争省はこの標識灯を電気化したのを記念して第一回目の百年祭 (1845-1945年) を1945年7月24日 に執り行った」と記されている。
[参考] mago: n.m.魔術師、魔法使い; 東方の三博士のひとり→ los Tres Reyes Magos: 東方の三博士 [Melchor, Gaspar, Baltasar
の3人をさす] |
1&2 モーロ要塞全景。画像1の左端がハバナ港へのアクセス運河の出入り口に当たる。対岸の海岸際の平地にプンタ要塞がある。 プンタ要塞の左方向の背後にハバナの旧市街が広がり、同要塞右方向の海岸沿いに新市街地が続いている。 [拡大画像: x26729.jpg][拡大画像: x26730.jpg]
3
5 * [拡大画像: x26727.jpg: ポスター/革命勝利45周年 (2004年6月12日) を記念して、キューバ沿岸警備と 航行安全を果たしてきたことを祝う国家水路・測地部 (Oficina Nacional de Hidrografía y Geodesia) 発行のポスター] |