一枚の特選フォト⌈海 ＆ 船⌋

英国海軍艦「バウンティ号」の反乱 (1789年)

ウイリアム・ブライ艦長が指揮する英国海軍艦「バウンティ号」は、1787年12月23日イギリスのポーツマス港を出航し、目的地の タヒチ島に向かった。 5か月ほど同島で滞在した後、パンの木やその他の植物を積載して、1789年4月4日出航し、喜望峰経由にて次の目的地である 西インド諸島に向かおうとした。その航海途上の同年4月28日に、艦長に対する反乱が起きた。 当時の乗組員44名のうち、反乱者は航海長のクリスチャン以下12名であった。ブライ艦長以下19人は救命艇に乗せられ追放された。 残りの非反乱者13人はバウンティ号に残された。ブライ艦長の指揮する救命艇は41日をかけてトーレス海峡 (オーストラリアとニュー ギニア島の間の海峡) を通り、ティモール島にたどり着いた (1790年3月15日、ブライ艦長らは英国に帰還し、反乱を報告した)。 その後長い経緯があるが、ブライ艦長の追跡航海の結果、14名の元乗組員が (大部分が非反乱者) がタヒチ島で逮捕され、後に本国での 軍法会議において裁きが下された。 [To be continued] 展示説明パネルには次のように記されている。 "William Bligh (1754-1817) Bligh commanded Bounty on a voyage to the South Pacific in 1789. After five months in Tahiti, most of the crew did not want to leave. They rebelled against Blight on the return voyage, setting him and 18 others adrift in a small boat. The men survived nearly seven weeks at sea thanks to Bligh's skilful navigation and strict rationing of food." 画像は、1789年4月29日、ブライ艦長および士官・水兵らの一部をバウンティ号から救命艇に追放し、漂流させる反乱者たちを描いた ロバート・ドッドの絵である。 絵画：　"The mutineers turning Lt Bligh and part of the officers and crew adrift from HMS Bounty, 29th April 1789 by Robert Dodd" [2013.6.3-4 英国国立海洋博物館／グリニッジにて] [拡大画像: x25318.jpg][拡大画像: x25319.jpg: 説明書き"William Bligh"] 1 2 1. 画像の左から： ・　自身に割り当てられた口糧を食したブライ艦長のココナッツ製ボウル(椀・わん)（Coconut bowl from which William Blight ate his rations.）　 ・　ブライ艦長が水の割当量を量るのに用いた牛角製容器（Horn beaker used by Wiiliam Blight to measure water rations.）　 ・　食べ物の割当を量り分けるのに用いられた銃弾のおもり（Bullet weight used to weigh out food rations.）　 [拡大画像: x25320.jpg] [参考] ration: n.(pl. ～s)定額、定量、割り当て、割当;　[pl.]食糧、糧食;　[通例pl.][軍]一日分の口糧、携帯の口糧 ／to weigh out: 重量を量る、量り分ける、秤で一定量を配分する. 2.　John AdamsとMauatua Christianについて ・　説明パネルの記述によれば、 "John Adams (1767-1829) Adams was one of the Bounty mutineers who set Bligh adrift and then sailed back to Tahiti. To escape punishment they went to uninhabited Pitcairn Island, where they settled with Tahitian men and women. Their descendants still live there today. "Mauatua Christian (about 1769-1841) Mauatua was the daughter of a Tahitian chief. She married Fletcher Christian, one of the Bounty mutineers, and they settled on Pitcairn Island. Mauatua was nicknamed 'Mainmast' because she was tall." 画像 (左上から右へ)：John Adamsの肖像石板画 (コピー)、おさげ (弁髪)、およびPitcairn Islandからの墓標オリジナル (1829 年3月?日、65歳にて死亡と記されている)。 画像 (左下)：　Mauatuaが樹皮で作ったタパ布 (南洋諸島でタパから製される紙に似た布) [拡大画像: x25321.jpg][拡大画像: x25326.jpg:説明書き"John Adams"][拡大画像: x25322.jpg:説明書き"Mauatua Christian"]