一枚の特選フォト「海 & 船」
中国の木造船 [神奈川大学日本常民文化研究所]
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神奈川大学・日本常民文化研究所(横浜市神奈川区)において、「和船の構造と技術」と題する展覧会が2017年1月30日~3月17日に開催された。 画像 1&&2 の説明書きには、「舢舨(サンパン)、 泉州市の西にある厦門市沿岸で漁業に使用されたものである。小型であるが 大型船同様隔壁構造である。 中国福建省泉州市海外交通史博物館」と記される。
「中国の木造船」と題する展示パネルには概略次のように記される。
中国船の構造的特徴は、船体に設けられた隔壁にある。竜骨に隔壁を取り付け、それに外板を張るのが一般的構造である。 隔壁構造は大型船だけでなく小型船にも用いられている。 和船との違い: 舵の取り付け方と帆装、甲板の有無がある。和船の舵は取り外しが可能な造りであるが、中国船は 多少上下移動は可能だが、船体に固定されている。 大型[の中国]船の帆柱は3本が普通であり、中央の帆柱が主柱であるが、操船においては船首の帆が重要となる。 船尾の帆は船首の帆に比べると副次的なものである。 中国式の帆装は非常に扱いやすく、風上に切り上がる性能にも優れている。 明治時代になると、洋式の帆装とともに、中国式帆装も日本の漁船や小型廻船に普及した。 画像 3 は「隔壁構造模型 福州三坊七巷福船文化館」と題される。竜骨から両舷に向けて肋骨を立ち上げ、その両サイドに外板を張る という構造である。また、隔壁も取り付けられている。
[画像撮影: 2017.3.17 神奈川大学日本常民文化研究所にて] |
舢舨実測図→ 元資料: 中国福建省泉州市海外交通史博物館蔵。作図: 廣瀬直樹 [拡大画像: x27571.jpg] |