一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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京杭大運河の高低断面図(北京~杭州・旧運河ルート図含む)

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中国・杭州の「京杭大運河博物館」に展示される、かつての北京・杭州間運河ルートの模型である。先ず涿都・北京から天津へ至る。そこで 海河を横切り南下を続け黄河へ至る。そこから洛陽へと通じる(黄河を辿って西安まで辿れる)。図中央左には西安の近くで開鑿された 広通渠(Guangtong Qu)という、長安と黄河(from Chang'an to the Yellow River)を結ぶ運河ルートが図示される。 

かつての京杭運河は、東都・洛陽から鄭州を経て、はるか東方の洪澤湖へ、さらに淮河 (わいが) を辿って山阳(淮安)へと通じる至る。 淮河からは南北に細長い微山湖沿いに南下し、揚州などを経て長江(揚子江)へ至る。その対岸の鎮江京口から江南運河を伝って、 常州、無錫、蘇州などを経て杭州に至る。

[画像撮影: 2017.4.5 中国京杭大運河博物館 (The Great Jinghang(Keikou) Canal Museum) にて][拡大画像: x27716.jpg]

京杭大運河の高低断面図


京杭大運河は多くの運河区間から成る: 北端の北京から南端の杭州に向かって、先ず通惠河、港沟、河、 北運河、海河 (河川名)、南運河、魯北運河、黄河 (河川名)、東平湖、魯南運河、魯南四湖右岸、不牢河、中運河、 黄河 (河川名)、 里運河、太平河、長江 (河川名)、江南運河である。距離数 (断面図下方の単位はkm) の長いのは、南運河、江南運河、中運河、里運河である。

北京を起点にして最南端の杭州に至るまでの間に通過する諸都市は、通州、武清、海河 (河川名)、天津、静海、 州、東光、徳州、武城、臨清、魚山、安山、南旺、済宁、庄、 邳州、宿迁、黄河 (河川名)、淮安、宝、 高、邵伯、長江 (河川名)、鎮江、丹阳、無錫、嘉興、杭州である。 総運河距離は1794kmと記される。大よそ1800kmにおよぶ現代運河における水面の高低差は40~50mもある。黄河と海河、黄河と長江との間には それぞれ30mほどの落差が存在することが読み取れる。
[拡大画像: x27666.jpg][拡大画像: x27667.jpg]


閘門址地図
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通惠河における元の時代の閘門址地図。 [拡大画像: x27664.jpg]
北京と通州を結ぶ通惠河 (その南東端で北運河と結ばれる) における元代の閘門址が記されている。如何に多くの閘門があったかが理解できる。

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「船閘示意図」。水門の開閉によって閘室の水の出し入れがなされる。その繰り返しによって船を次の閘室へ移動させ、「水の階段」を昇り 降りさせる。その昇降によって河川上の高低差が克服される。 [拡大画像: x27665.jpg]

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保存資料/画像1の拡大版。 [拡大画像: x27660.jpg][拡大画像: x27661.jpg]


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