一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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江戸時代末の船宿と猪牙舟(ちょきぶね) (復元:実物大)
[江東区深川江戸資料館]
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東京都内の江東区深川江戸資料館の常設展示室では、江戸時代末(天保年間)における深川佐賀町の町並みを想定して、実物大にてその町並みが 復元されている。復元展示されている家屋は、大店 (おおだな) 肥料問屋(肥料として干鰯(ほしか)・〆粕(しめかす)、 灯油として魚油を扱う問屋)の「多田屋」とその土蔵の他、八百屋、春米屋 (つきごめや) とその土蔵、船宿の「升田屋・相模屋」と 猪牙舟 (ちょきぶね) とその船着き場、最上層に半鐘が吊るされた「火の見櫓」、それに長屋である。

長屋には、船宿の船頭や春米屋の職人、棒手振り (ぼてふり)(アサリ・シジミのむき身を天秤棒でかついで売り歩く商人) らが住む という想定の下、彼らの家族構成、職業、年齢などを設定した上で、それぞれの暮らしぶりに合わせた調度品や 生活用具がセットされている。長屋住民の共同スペースには井戸や便所、ごみ溜めなども設営されている。

路地を歩き、長屋などの住まいを覗き込めば、江戸時代の庶民らが暮らす下町にタイムスリップしたかのようである。 船宿がある船着き場辺りをたむろすれば、柳の葉が風にそよぐ江戸風情が醸し出される。時代小説ファンにはその趣きはたまらないことで あろう。猪牙舟は現代風にいえば「水上タクシー」のような運搬手段であろうか。船頭に頼めば、すぐそこの隅田川に架かる両国橋まで、 重い荷物を抱えて乗り込んでも喜んで送り届けてくれそうだ。

[画像撮影: 2019.5.19 江東区深川江戸資料館(http://www.kcf.or.jp/fukagawa/)にて/所在地: 東京都江東区白河1-3-28/電話: 03-3630-8625 /都営地下鉄・大江戸線「清澄白河」駅下車、出口A3から徒歩3分]

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資料館に展示される中村啓治氏制作の街並み図画。

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路地左側に大店肥料問屋の「多田屋」、右側に八百屋がある。

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3. 猪牙舟。穴の開いた碇石に繋がれている。 4. 長大の櫓。


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