一枚の特選フォト「海 ＆ 船」
One Selected Photo "Oceans & Ships"
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1494年のトルデシリャス条約によるポルトガル・スペインの世界二分界化
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1. 撮影年月日： 2018年9月28日 2. 撮影場所： スペイン南部パロス・デ・ラ・フロンテーラ（Palos de la Frontera）近郊のラ・ラビダの「カラベル船の桟橋（Muelle de las Carabelas, La Rábida）」に係留・展示されるコロンブス探検航海船団の復元船および展示館 3. 概略： 15世紀末以降、ポルトガルとスペインによる未知の世界海洋への進出が進むにつれ、両国間で貿易や植民地権益などをめぐり 激しく対峙することになる。 1492年末期のコロンブスによる「新大陸」到達を受けて、翌1493年には、ローマ教皇アレクサンデル（Alejandro）6世は、 両国間の属領地争いを調停するために、ヴェルデ岬諸島西端の西方100レグア（legua）の地点に分界線 （教皇子午線; 西経31度8分付近）を引き、その東側をポルトガルの、西側をスペインの独占的航海・貿易・布教域と設定した。この境界線は 現ブラジル領土東端の沖合を南北に通るものであった。 しかし、その子午線の設定からわずか1年後の1494年、ポルトガルがその分界線よりも西方にある発見地への権利を得るべく、 スペインと直接交渉を重ね、「トルデシリャス条約（Tordecillas Treaty）」を締結した。条約は1493年の分界線を 西方へ270レグア（1500kmほど; 西経46度30分付近へ）移動させるものであった。その結果、新大陸ではブラジルだけがポルトガルの 植民地となり、両国間での分界に関する棲み分けが図られた。
画像地図の子午線には以下のように付記されている。
・ 中央： 370 leguas, a 17 1/2 l. por grado. 370レグア。度数にして17度30分。 [備考]両線は370レグアではなく、270レグア（1500kmほど）隔たっているものと思われる。 ・ 左線： Líinea del Tratado de Tordesillas, 7 de junio de 1494. 1494年6月7日のトルデシリャス条約。 その後、スペインは主に新大陸への植民地化をめざし、他方ポルトガルはアフリカ西岸や東岸での植民拠点を 確保しながら、アジアへの進出を図ろうとした。大局的および相対的には、二大強国によるこの棲み分けによって勢力争いは抑制的なもの となった。 現インドネシアのモルッカ諸島をめぐり両雄の紛争が起こり、東半球における分界線を画定すべく、1529年4月22日に「サラゴサ条約」が 結ばれた。そして、大西洋での分界線に対して正反対に位置する分界線が東経144度30分付近に引かれ、 世界の勢力圏が二大分界化された。モルッカ諸島については、スペインが35万ドゥカートの賠償金と引き換えにその領有権を放棄し、 その結果ポルトガルがそれを領有した。翻って、スペインはフィリピン諸島を領有することになった。
辞典内関連サイト: 世界の「新発見地」を二分界したポルトガル・スペインの1494年「トルデシーリャス条約」 [参考]ポルトガルとスペインとの間の、「新発見地」の属領化に関する分界線（Línea de la Demarcación）について
demarcación: f.境界画定、線引き; 境界、区画; [歴史][Demarcación]分界線、教皇分界線、教皇子午線. ・ 1493年、ローマ教皇アレクサンデル（Alejandro）6世の調停によって、ポルトガル・スペイン両国は、アフリカ大西洋岸沖合にある カーポ・ヴェルデ諸島 (ヴェルデ岬諸島; 西経25度) 西端の西方100レグア (legua) の地点を通過する子午線（教皇子午線）を分界線とし、 その東側をポルトガルの、西側をスペインの独占航海・貿易・布教域と設定した。
・ 早くも翌年の1494年には、両国はその子午線を変更する「トルデシリャス条約（Tratado de Tordesillas）」を締結した。もって、
カーポ・ヴェルデ諸島西端の西方370リーグの地点を通過する子午線を分界線とし、両国が発見する陸地のうち、この線の東側にあるものは
すべてポルトガルに帰属し、西側にあるものはすべてスペインの領有とすることを約した。
legua: f.レグア[長さの単位; スペインでは5,572m]. |
 [拡大画像: x28314.jpg][拡大画像: x28315.jpg] |
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