一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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出雲日御碕灯台 [島根県]

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画像は東洋一の灯台と讃えられる威風堂々たる出雲日御碕灯台(島根県大社町)(いずもひのみさきとうだい Izumo Hinomisaki Lighthouse) である。日御碕は島根半島の最西端にあって、美しい夕日が日本海に没する地としても知られる景勝地である。 灯台の近くには、天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る日御碕神社がある。

灯台は、1900年(明治33年)に着工され、1903年(明治36年)4月1日に完成し初点灯した。島根県内では、1898年に建設された馬島灯台(浜田市) ・美保関灯台(美保関町)に次いで、三番目に建設された。建設当初は「日ノ岬灯台」といったが、1935年(昭和10年)「出雲日御碕灯台」と 改称された。

日本での洋式灯台の建設は外国人技師による指導で始められた。しかし、明治10年代にはお雇い外国人技師が解雇され、その後は日本人だけ による設計・施工をもって建設されて行った。因みに、日御碕灯台の設計者は、英国に留学し当時の最先端技術を学び、灯台建設技師として 活躍した石橋絢彦(あやひこ; 1852-1933年)であった。

灯塔の外壁は石造り、内壁はレンガ造りとなっていて、両壁の間には空間が設けられるという、二重殻構造式である。 灯塔は先進国イギリスにも例のなかった特殊な構造ををもつ。即ち、石積みの塔の内側にレンガ積みの円塔があり、強度を増している。

因みに、地上から灯台頂部までの高さは43.65mあり、日本一の高さである。海面から灯火までの高さは63.3mである。 光の強さは48万カンデラ、光達距離は21海里(約39㎞)である。光源には日本全国でも数少ない一等レンズ(フランス製、直径2m59㎝)が使用され ている。光り方は複合群閃光互光、即ち20秒の間に白い光を2回、赤い光を1回閃光するというものである。この光り方をもって灯台を同定する ことができる。

建設から115年以上も経た現在でも、日本で最も高くそびえる石造りの灯台である。無論、現役として日本海に灯光し続ける。 1998年には、国際航路標識協会(IALA)の「世界の歴史的灯台百選」に選ばれた。

[撮影年月日:2019.4.20/撮影場所:島根県出雲市大社町、出雲日御碕灯台にて] [拡大画像: x28494.jpg][拡大画像: x28495.jpg]


灯台まで200mほど続き、茶店・土産物店が軒を並べる歩道で見かけたマンホール蓋。日御碕灯台絵が誇らしくしっかりと刻まれている。 [拡大画像: x28539.jpg]

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1. 建設中の日御碕灯台(当時、日ノ岬灯台)、明治33~36年頃 [拡大画像: x28536.jpg]
2. 建設工事中の日御碕灯台 [拡大画像: x28537.jpg]

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3. 明治36年完成当時の日御碕灯台。 [拡大画像: x28538.jpg]
4. 日御碕灯台の光源と一等レンズ。
画像1~3の出典: 日御碕灯台の塔内陳列より。


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