一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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「北総の小江戸」と謳われた佐原の河岸の賑わい(図絵)

画像は、1894年(明治27年)の「下総国香取郡佐原町 醤油醸造業 諸房半兵衛(日本博覧図 千葉県之部初編)」 (佐原町は現在の香取市)のうちの一部分である(千葉県立博物館 蔵)。

キャプションによれば、店舗は小野川に向けて間口が設けられており、川が重要な輸送路であったことが見て取れる。荷の積み下ろし のために石段が設けられているが、地元ではこれを「だし」と呼んだ。小野川は佐原(さわら)の集落内を流れ利根川に合流するが、 当時には高瀬船などの他に、外輪式蒸気船の通運丸などが盛んに往来していた。 [注]小野川は佐原の市中を流れる。下図参照。

佐原は、江戸時代には「北総の小江戸」と呼ばれた。利根川に流入する小野川(図絵の左下に見える)沿いに船着き場が設けられ、 物資の集散地として繁栄した。諸房家は幾つもの蔵をもち繁栄を誇っていたという。

[撮影日時:2019年7月24日/撮影場所:千葉県立博物館][拡大画像: x28656.jpg]

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「佐原の街並」と題する市中観光案内板の文中には、次のような一節が記されている。
「利根川図志(ずし)(1855年)に「佐原は、下利根附下利根附 (しもとねつき)第一繁昌の地なり、村の中程に川有りて、新宿、本宿の間に橋を架す、 米穀諸荷物の揚げさげ、旅人の船、川口より此所(ここ)まで、先をあらそい、 両岸の狭きをうらみ、誠に、水陸往来の群集、昼夜止む時なし」。
[撮影年月日・場所: 2019年8月8日/茨城県佐原市内を流れる小野川沿いにて/伊能忠敬旧邸付近/下図参照]

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伊能忠敬旧邸内の案内地図。図の下方に伊能忠敬記念館や伊能忠敬旧邸が記される。[撮影年月日: 同上]


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