一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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天保山名所図会「大浚」(てんぽうざんめいしょずえ おおさらえ)

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大阪市港区の築港・天保山(Chikko Tempozan or Mt. Tempo)。ライムグリーンのような色とホワイトのツートーンカラーの船体と ファンネルがトレードマークであった関西汽船は、かつて天保山を発着起点にして、瀬戸内海を中心にした旅客輸送において華々しい隆盛を 誇っていた。因みに、1960年に大阪港-神戸港-高松港-松山港-別府港を 結ぶ瀬戸内海航路のうちの別府航路に、「くれない丸」が、僚船の「むらさき丸」とともに就航した。
現在、天保山の最寄駅は、地下鉄中央線の「大阪港駅」である。駅からすぐのところに「天保山公園(Tempozan Park)」がある。

画像1・2は同公園の入り口を飾る、天保山所縁の図絵である(画像1は画像2の部分的拡大図)。天保山は安治川の河口にあり、もともとは天保時代の1831年と1832年に 大規模に安治川を浚渫し、その浚渫土砂を盛って出来上がったのが「天保山」という山である(a mound of sand and earth dredged from Ajigawa River in a large-scale operation in 1831 and 1832, during the Tempo era)。 天保山は高さ4.53メートルで日本一低い山といわれる(At 4.53 meters, Tempozan is Japan's lowest "mountain". Its highest point is a secondary trig station.)。山頂には二等三角点(Class 2 Triangulation Station of Tempozan)が設置される。

図絵案内の銘板には次のように記されている(原文のまま)。

    天保山名所図会「大浚」
      天保の大浚えは、まったくの人海戦術で行われました。人足が小船に乗り、長い柄の鋤簾(じょれん)を使って浅瀬の砂を浚えて 船に積み、岸に揚げ、それを陸の人足が籠や桶、車に積んで安治川河口の八幡屋新田の先に積み上げていきました。船が 整列して砂を浚える様子を描いたのが、天保山名所図会「大浚」です。
      幕府の命により工事の指揮をとったのは、町奉行所の与力や同心でした。500艘もの船を使い、大坂の各町や問屋仲間等 からたくさんの人足が加勢として参加し、揃いの衣装に鳴物入りで大変なお祭り騒ぎになりました。
    (出典: 大阪城天守閣蔵品より)
    * この陶板は、上記原資料に基づき、構図・色彩などの特徴を出来るだけ生かして再現したものである。

[撮影年月日:2020.10.10/撮影場所: 天保山公園、大阪市港区・天保山/地下鉄中央線「大阪港駅」徒歩5分]
1. [拡大画像: x28768.jpg]
2. [拡大画像: x28769.jpg][拡大画像: x28770.jpg: 説明書き]


下方に安治川が流れる(左方が上流)。対岸(桜島)のすぐの上流部に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が、右方(下流)側には 天保山マーケットプレイス、海遊館がある。 [拡大画像: x28778.jpg]


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