通称「黒ひげ」と呼ばれた英国人海賊のエドワード・ティーチ(生年?-1718年)は、海賊仲間に恐怖心を抱かせることによって彼らを支配する
ことに長けていた。彼についての説明書きには次のようなエピソードが概略記されている。
「黒ひげ」による米国船への略奪行為が激しくなっていた情勢下で、彼には100ポンドの賞金が懸けられることになった。かくして、英国軍艦パール号
のメイナード中尉が賞金目当てに黒ひげの捕獲のために海に乗り出した。中尉は黒ひげの乗る海賊船を追い詰め、突入する際の銃撃戦で
29人の死傷者を出した。そして、海賊船に乗り込むと、中尉は黒ひげとピストルの撃ち合いをした。中尉の弾丸が黒ひげの顔に命中したが、
彼はびくともせず、大きな蛮刀を振り上げて中尉に切りかかった。黒ひげは中尉の剣を真っ二つにし、さらには剣を握っていた中尉の指まで
そぎ落とした。その時、黒ひげの背後に忍び寄った水兵が黒ひげの首に向かって斧を振り下ろした。しかし、黒ひげは、頭部を半分切断された
状態のまま反撃し、その水兵を叩き潰し、さらに戦い続けた。黒ひげは、全身に25か所もの傷を負いながら、ついに最期の絶命を迎えた。
[撮影年月日:2020.9.23/撮影場所: 名古屋海洋博物館][拡大画像: x28901.jpg]
|