一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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築港中の熱田港 (名古屋港) に停泊する巡航博覧会船「ろせった号」(古写真と模型)
[名古屋海洋博物館]

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名古屋海洋博物館では、当時築港中にあった熱田港 (名古屋港) に、明治39年入港した巡航博覧会船「ろせった号」のことが紹介されている。

明治16年(1883年)名古屋区長(後の市長)が愛知県令(後の知事)に熱田湾築港の上申書を提出した。次いで、日清戦争が勃発した明治27年(1894年)、 愛知県議会が熱田湾築港調査に関する議案を可決した。 その後、築港工事が進むなか、報知新聞社主催で全国を巡航する博覧会船として、明治39年(1906年)9月29日に、汽船「ろせった丸」(S.S. Rosetta) (3,975トン)が熱田湾に入港するに至った。当時港は工事中であり、海図にはその記載がなかった。築港関係者は「ろせった丸」の入港を求め必死の誘致活動 を行った。当時の県土木技師・奥田助七郎(初代の愛知県名古屋港事務所長となる)は、船長と交渉し、自ら水先案内役となり入港の労を とった。博覧会は10数万の人々で賑わうとともに、以後港湾建設事業が理解されるようになったと紹介されている。(博物館の展示パネル参照)

画像2・3は、上川昌平氏によって製作された模型「ろせった丸」である。主要目は次の通り。
船種:客船、総屯数:3,457.25屯、長さ:約117.6m、幅:12.1m、深さ:8.8m、喫水:5.67m、主機関:2連成往復動蒸気機関1基/出力 700指示馬力、乗客数:一等81名・二等30名、建造:1880年(於英国ハーランド・アンド・ウルフ造船所)

[参考]
・ 1906年(明治39年)8月1日、英国軍艦(艦名不記載)入港する。英国支那艦隊司令長官ムーアー中将(Admiral Mure)。
・ 1907年(明治40年)熱田港を名古屋港と改称される。また、同年、名古屋港を開港場に指定される。

[撮影年月日:2020.9.23/撮影場所・出典: 名古屋海洋博物館]
[画像1:拡大画像: x28936.jpg][画像2:拡大画像: x28938.jpg][画像3:拡大画像: x28939.jpg]



4 5 4. 「英国支那艦隊熱田入港記念 名古屋市 39-8-1 Welcome」という記念スタンプが押印されている。 
5. 「英国支那艦隊司令長官ムーアー中将 Admiral Mure」と記されている。

6 [拡大画像: x28937.jpg: 説明書き]


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