一枚の特選フォト「海 & 船」
画像は利根川と霞ヶ浦を最短距離で南北に結ぶ横利根川を行く水郷観光船「さつき丸」の写真である。
その昔、霞ヶ浦・香取・潮来周辺を舞台にした水郷観光ブームが到来した時期があった。写真の説明書き
によれば、1931年(昭和6年)に東京通運会社を中心に水郷汽船会社が設立され、遊覧船「さつき丸」、
「あやめ丸」が就航した。「さつき丸」は当時としては最新鋭のディーゼル機関を搭載し、白亜の優美な船体
は「霞ヶ浦の女王」と称えられたと記されている。
[参考] 横利根川: 利根川と霞ヶ浦(常陸利根川)とを結ぶ約7㎞の河川。常陸利根川は、基本的には東方へ流れ、その下流で利根川と 合流する。霞ヶ浦から常陸利根川が流れ出始めてすぐのところから横利根川が南方へ分岐し、これまた利根川へ向かって流れる。 (1)利根川の湧水時に霞ヶ浦(常陸利根川)への逆流を防ぐために、また(2)利根川と霞ヶ浦(常陸利根川)との間に水位差があるところ、船舶の通航 を可能にするために、横利根川の南端付近に「横利根閘門」(パナマ運河タイプの閘門・ロック lock)が、大正年間に建設された (大正3年=1914年に着工され、大正10年=1921年に完成した)。
[撮影年月日:2019.8.8/撮影場所: 千葉県立中央博物館大利根分館] |