一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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「通運丸」模型と「川蒸気往復盛栄真景之図」(歌川重清・画)

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画像は千葉県立関宿城博物館にて展示される「通運丸」模型 (縮尺1/25) と、「東京両国通運会社川蒸気往復盛栄真景之図 (しんけいのず)」(歌川重清・画)である。

「通運丸」( The paddle steamboats "Tsu-un Maru")
1877(明治10年)に外輪蒸気船「通運丸」の第一号が登場し、利根川・江戸川での水運は飛躍的に近代化された。 船は全長22メートルで、船体中央両舷側に装備された水車を蒸気機関をもって回転させ推進させた。1890年(明治23年)に 利根運河(利根川と江戸川を結ぶショートカットの水路)が開通すると、東京・銚子間をおよそ18時間で結ばれた、と展示キャプション に記される。

「通運丸(模型)」と題する説明書きには、以下のとおりに記される(原文のまま)。

    第1号の通運丸は、明治9年(1876)に石川島平野造船所(現・石川島播磨重工株式会社)によって建造されました。 全長約22m、総トン数約60トンの規模で、船体の両側に設置した水車を蒸気によって回して進む外輪蒸気船でした。 内国通運株式会社(現・日本通運株式会社)が通運丸を購入し、明治10年(1877)に周航させました。この模型は 実物の1/25の大きさです。

「東京両国通運会社川蒸気往復盛栄真景之図(しんけいのず)」 [歌川重清・画](年代:明治時代、関宿城博物館蔵)と題する説明書きには、次のように記される(原文のまま)。

    明治10年(1877)、内国通運株式会社が外輪蒸気船「通運丸」を利根川・江戸川に周航させました。ここは両国(現・ 墨田区)で、出発および終着の地です。関宿にも就航しており、両国・関宿間は江戸川を遡るのに9~10時間、 下るのに7時間かかりました。

かくして、明治時代には西欧近代技術を粋を集めた蒸気船「通運丸」の運航、利根運河の通水による時間の短縮化などで 利根川・江戸川の内陸河川水運は全盛期を迎えた。

[参考画像]
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[撮影年月日:2020.7.10/撮影場所: 千葉県立関宿城博物館(利根川と江戸川との分岐地点近傍に所在する/住所: 千葉県野田市関宿 三軒家143-4)]
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