一枚の特選フォト「海 & 船」
諏訪湖における幾つかの漁具漁法 [諏訪市立博物館]
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諏訪湖は日本列島のいわば屈曲点とも言われる。フォッサマグナと中央構造線とが交わる山間の盆地に存在するのが諏訪湖である。
諏訪湖は漁業などの生産の場であり、またその周辺地域は生活の場であり続けてきた。特に漁撈は縄文時代にも行われていた。
今から1万年も前から諏訪湖周辺には多くの人々が居住し、村が営まれていた。縄文時代の集落跡からは特に漁網のおもりに使われていた
土器片や石錘(せきすい)などが出土している。冬期には湖から天然氷の切出しも行われていた。
画像1は諏訪市立博物館に設けられた、諏訪湖の特殊な伝統的漁法を紹介するコーナーである。画像1の最左の「氷づち」は屋塚(やつか)・きよめ等 の氷上漁業の際に氷を割るのに用いられた。また氷上の歩行には氷下駄・氷かんじきが用いられた。 画像3の後段2つの漁具は「出格子(でごうし)」、画像4の漁具は「えびかぶと」である。
説明パネルには諏訪湖のこれらの伝統的な特殊漁法が次のように紹介されている。 画像2は「小魚札」と呼ばれる。パネル説明によれば、江戸時代、武居田川・鴨池川などでの河川漁業に対して許可制が敷かれた。 湖辺の村々は運上金と引き換えに小魚札(許可証)を受け取り、決められた場所で小魚獲りを行った。 画像の許可証は1807年(文化4年)のものである。
[撮影年月日:20/撮影場所:博物館] |