一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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第五福竜丸展示館(総論)
Daigo Fukuryu Maru Exhibition Hall

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昭和29年(1954年)3月1日のこと、遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」は、太平洋中西部のマーシャル諸島のうちのビキニ環礁における 米国水爆実験「キャッスル・ブラボー」の炸裂で「死の灰」を浴び被曝した(the US detonation of the hydrogen bomb text Castle Bravo on Bikini Atoll of the Marshall Islands and the exposure to radioactive fallout)。同船はその被爆後、日本政府によって 買い上げられ改造が加えられて東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」となった。 その後廃船となり、ある業者に売船された。業者は船体からエンジンだけを取り外した後それを他船へ売り渡した。船体そのものは東京・夢の島(当時は東京都のゴミ埋立 処分場であった)へ捨てられた。「第五福竜丸」のエンジンをつけた船が1996年三重県熊野灘の海底で発見され、引き揚げられ、 1998年3月に展示館(開館: 1976年6月10日)に寄贈された。現在では船体とエンジンが一緒に保存展示されるとともに、多くの関連資料が展示される。

・ 第五福竜丸は、昭和22年(1947年)に、和歌山県で建造された。
・ 初めは木造カツオ漁船として活躍し、後にマグロ漁船に改造され、当時はるか遠くの海域までマグロを追い求めて 遠洋漁業に従事していた。
・ 水爆実験での被爆後は、練習船に改造され、東京水産大学で使用されていた。
・ 昭和42年(1967年)に廃船となった。



館内におけるいろいろなパネル説明書き

    ・ 「水爆ブラボー」("Castle Bravo" hydrogen bomb test)+核実験キャッスル作戦一覧表
    ・ 「第五福竜丸・被ばく」+23人の乗組員とその被ばくについて("Hibaku"(radiation exposure) of Daigo Fukuryu Maru)
    ・ 「乗組員被ばくと久保山さんの死」(Death of Mr. Kuboyama)
    ・ 事件当時の日刊新聞記事各種
    ・ 「原子マグロ食卓を脅かす」(Preventing irradiated tuna from getting on the dinner table)
    ・ 「放射能雨降る… 高まる不安、国民生活への影響」(Radioactive rain and citizens' anxiety)
    ・ 「核実験・核兵器反対の声広がる」(Widespred protest against nuclear tests and weapons)
    ・ 「死の灰かぶった日本漁船」
    ・ 「太平洋の広い海が放射能で汚染された」(第五福竜丸と第5次航海図+その他の船体・魚に放射能があった 日本漁船の位置図とマグロ捕獲の位置)
    ・ 「水爆実験と科学者」
    ・ 「マーシャル諸島の人びとの被災」
    ・ 「世界の核実験被害」(Nuclear Explosion Tests Affect the World)
    ・ 「広島・長崎の原爆被害」(Remember Hiroshima and Nagasaki)
    ・ 「原水爆のない未来へ」(Towards Nuclear Free World)
    ・ 「ラッセル=アインシュタイン宣言」(抜粋)
    ・ 「日本の漁業と第五福竜丸」+日本沿岸の漁業制限図(1945~1952年)
    ・ 「遠洋マグロ漁船第五福竜丸」+ 第1~5次航海
    ・ 「マグロ延縄漁法と漁具」(日本鰹鮪漁業協同組合連合会/日かつ連・ポスター)
    ・ 「沈めてよいか第五福竜丸」(1968年新聞の読者欄、武藤宏一氏記)
    ・ 「水爆実験の時代―"死の灰"による地球汚染のはじまり」+キャッスル作戦の全核実験、「ひろがる放射能」、 「核実験―兵士・住民の被ばく」
    ・ 「年表 第五福竜丸と展示館のあゆみ」
    ・ 「第五福竜丸の航路図と被災位置」(1954年1月22日~3月14日・航海日誌による)(track chart of Daigo Fukuryu Maru)+ アメリカ原子力委員会(AEC)による「危険区域」の設定と拡大
主な展示品
    ・ 「第五福竜丸」(実船)
    ・ 静岡大学寄贈の「死の灰」(放射性降下物 radioactive fallout)+ ビキニ灰の分析。浮き玉(ビン玉)の目印にしたボンデン 竹の棕櫚(シュロ)、船体塗料、燃料用ドラム缶の錆、「原爆マグロ」のウロコなどのビキニ灰の分析
    ・ ガイガーカウンター(ガイガー計数管)、シンチレーション・カウンター(scintillation counter)
    ・ 「第五福竜丸」の航海日誌・当直日誌・天測日誌・労働日誌(複製)
    ・ 船舶用無線電信送信機 (marine radio transmitter) [第五福竜丸の船内で久保山愛吉無線長が使用していた無線送信機]
    ・ 電鍵と「モールス信号を聴いてみよう」
    ・ メト (meto, stick chart): タコノキ材とヤシの実の繊維で縒った糸で作られた海図
    ・ 「第五福竜丸」の肋骨構造模型(縮尺30分の1; 木村九一氏製作)
    ・ マーシャル諸島のカヌーの模型
    その他、館外には、「マグロ塚」の石碑、「第五福竜丸のエンジン」(実物)などが展示される。

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[画像撮影: 2019年9月3日/撮影場所:「夢の島公園」内の「東京都立第五福竜丸展示館」(Daigo Fukuryu Maru Exhibition Hall/ "The Lucky Dragon No.5" Exhibition Hall)]
3. 展示館のエンランス付近の寸景。 [拡大画像: x28631.jpg]
4. 「第五福龍丸」の大漁祝旗。 [拡大画像: x23632.jpg]


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