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    第17章 辞典づくりの後継編さん者探しを家族に依願し、未来へ繫ぎたい
    第5節 後継編さん候補者の応募要件について補足説明する


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     第17章・目次
      第1節: 家族への手紙(その1)/最初に読んで!
      第2節: 家族への手紙(その2)/ドメインとサーバーの契約延長と支払い
      第3節: 辞典づくりの若干の「系譜」と「思い」について
      第4節: インターネットでの後継編さん者の「公募案内」と「応募要領」
      第5節: 後継編さん候補者の応募要件について補足説明する
      第6節: 後継編さん者への幾つかの重要な「お願い」
      [資料作成中]辞典の作成と継承のための「実務マニュアル(要約・基礎編)」「実務マニュアル(詳細編)」



  ウェブサイト「和英西仏葡語・海洋総合辞典」づくりの後継編さん候補者の応募要件については、本章前節(第17章第4節)において、「応募要領」という タイトルの下で、簡略に掲載されている。要件は定量的かつ明瞭な基準をもって設定されている訳ではない。翻って、要件の幾つかは定性的であり、 ファジーといえるかもしれない。基準をできるかぎり定量的に提案できるに越したことはないが、敢えて定性的にせざるを得ない事情もある。 要件のファジーなところを補うために、一歩踏み込んでもう少し深掘りの補足説明をしたい。

  先ず、応募年齢について。海洋辞典づくりは、1年や2年の短期をもって、そのゴールに辿り着こうというものではない。 海洋辞典づくりは、息の長いライフワークとして取り組むことが強く期待される。辞典づくりは誰に強制されるものでも、せかされるものでもない。 本業・生業の合間を縫いつつ、その余暇時間を活用しながら、気長に、楽しみながら取り組むボランティアワークであり、またライフワークであると 位置づけたい。過去の取り組み経験からして、数十年(30年くらいの)単位で取り組むのがベストだと考える。 もちろん、長丁場の途上で、適宜いずれかの時点で、自ら一区切りをつけながら、それを何度か繰り返すという取り組みになろう。 長丁場の中で、わずかながらであっても辞典の「進化」のプロセスを楽しみながら、気長に取り組むことが大切である。 かくして、数十年単位の視点から大雑把に逆算すれば、次代編さん者はそこそこ若年から壮年であるに越したことはない。編さん者の一代において 出来る限り長丁場、少なくとも数十年間は取り組むことができることを期待して、応募年齢としては、25歳から40歳くらいの範囲を想定するものである。

  次に、語学について。英語の語学力については十分自信のある方を前提としており、それなりのハイレベルの語学力が 期待される。とはいえ、英語能力についての条件として、一定の絶対的なレベルを設けることはしない。例えば、過去10年以内に英検何級、TOEFLや TOEIC何点以上をマークされていることなど、一定の絶対的なレベルを基準にするようなことはしない。仮にそれらの有資格者である場合には、 その等級・スコアが髙いことに越したことはない。いずれにせよ、英語能力は出来る限り高いレベルであるに越したことはない。

  また、スペイン語・フランス語・ポルトガル語についても同じことが言える。検定資格何級以上の有資格者であることなど、一定の絶対的レベルを 設けることはしない。もちろん、客観的な指標となる、西・仏・ポ語などのより高いレベルの検定資格をおもちであることに越したことはない。だが、 それぞれの語学について、語学能力の客観的な基準を設定することはしない。それらの語学に全く関心がないというのは論外としても、 語学専門学校でそのいずれかを学習したとか、大学で第二語学として履修したとか、過去何年間かNHK語学講座で独習したことがあるとかで、 西・仏・ポ語のいずれかについて強い関心をもち、それなりのレベルの素養が期待される。いずれかにしても、その語学力のレベルが高いに越した ことはない。西・仏・ポ語について検定資格がない場合は、それぞれの言語について、そのレベルを自己評価のうえ申告していただくことにしたい (下記のレベルA~Eにて)。

    自己申告例: 英検1級、TOEIC○○点、TOEFL○○点、仏語検定○○級、西語検定○○級などとその取得年。
    自己評価の基準: 「レベルA」=読み書き共に非常に堪能である、「レベルB」=かなり堪能である(検定1級レベル、大学レベル)、 「レベルC」=読み書きが普通・平均的である(検定2級レベル、高校レベル)、「レベルD」=読み書きが多少できる(中学レベル)、 「レベルE」=読み書きがほとんどできない。
語学学校などの語学研修機関(海外含む)での修学、その他独学による語学学習経験があれば、その語学名・機関名・履修期間などを記載しめいただく ことにしたい。

     語学好きであることが大切である。応募時点での語学力も大切ではあるが、もう一つ重要なことがある。過去の語学的バックグランドや 現在の語学的関心・素養・能力を活かしつつ、これから先、そのいずれかを学び続けていく意欲と情熱も高く期待される。語学に常々接する ことが一つの喜びとされること、向上心をもってそのいずれかを学び続ける意欲を有することが大切である。とにもかくにも、 英語に堪能である他に、西・仏・ポ語のいずれか(複数も可)を今後学習して能力アップを目指す努力をいとわない方を期待したい。

  教育的バックグランドについて。海洋、船舶、水産、海洋生物などにまつわる教育機関、例えば高等商船学校、海洋・水産高校、 海洋・水産関連の大学(神戸大学海洋科学部、東京海洋大学、水産大学校、東海大学海洋学部など)、普通大学のうち海洋・船舶・水産・海洋生物などにかかわる学部・学科、大学院・研究科などの 教育機関で専門的に修学された方であれば、それに越したことはない。もちろん、欧米諸国などのそのような範疇の専門学校・大学・大学院で修学した 経験のおもちの方であれば、なお素晴らしいことである。

     教育機関を問わず、また国内外のそれを問わず、海洋学(海洋生物学、海洋地質学、海洋物理学、海洋化学、海洋環境学)、海洋・水圏における 生態学、航海・運用学、船舶機関・造船・船舶工学、海洋工学、港湾・海洋土木工学、水理学、地学、海洋気象、水産学・漁労学・養殖学、 海運学、海洋法・海洋政策、海洋考古学、海洋歴史文化などの海事分野にて、それらの諸学を専攻・修学された方であれば、それに越したことはない。 だがしかし、そのようなバックグランドでなければならないということにこだわるものでもない。 海にかかわる自然科学系・社会科学系や工学系の専攻・修学であれば、海の辞典づくりにより深い関心と好奇心をもって取り組むことができると 推察する所以である。

  職歴について。例えば、政府や地方自治体において、海洋・船舶・水産・港湾・海運などの行政に携わる方。あるいは、政府・自治体・ 民間であるかを問わず、海洋・水産・船舶・海洋工学系の研究所あるいは大学において、海洋・水産・海洋生物・船舶・港湾・海洋資源やエネルギー・ 海洋法政策などの調査研究や教職に就かれている方。海洋・水産などの公益法人や民間会社において、海洋開発・調査、漁業・養殖、船舶運航、港湾 建設、海洋土木、海洋石油ガス掘削などに従事されている方などであれば、それに越したことはない。もちろん、そのような海事関係の従事者であれば、 海語に接する機会が多いと推察する所以である。海や船に直接間接にかかわる専門的教育を修めた方で、上述のような領域の 仕事に従事されているのであれば、候補者としてはなお一層素晴らしいことである。

  因みに、欧米諸国などにおいて、海洋学、水産学、海洋生物学など、海に何がしか関わりのある大学学部・学科、大学院研究科などで学び、 なおかつ海洋関連行政に携わるなり、海洋・水産研究所などで調査研究に就かれている場合であれば、より理想的であるように思われる。

  次に、応募要件と言うよりも、応募者に共通する基盤的要素として強く期待したい事柄がある。専門書などをひも解き、語彙を拾い、 語学を学びつつそれをより向上させ、辞典づくりに取り組むためには、それなりの忍耐・根気、意欲・情熱が 要ることは確かである。語彙拾いをいとはない、何ら苦にならないということが強く求められる。それらを支えるのは、第一に「海好き」であること だと確信している。専門教育の領域、語学力、職歴と同等またはそれ以上に大切なのが、「海が大好き」であることである。

  さらに大切なのが、海、船、海洋生物などにまつわることに「知的好奇心」を全開できるかどうかである。海好きでもなく、それらに好奇心がない 場合、それらにまつわる語彙拾いには、やはり、それなりの困難さと苦痛がつきまとうことにならざるをえない。ウェブ海洋辞典づくりの基本は海 にちなむ語彙拾いが基本なので、海のことなら何でも関心をもち、好奇心全開にできることが大切である。語彙拾いを支え、その原動力になるのは、 「海好き」と「海のよろずのことへの好奇心・関心」であろう。

  第二に、「語学好き」であるかどうかである。日本語だけでなく、英・西・仏・ポ語などの海にまつわるさまざまな雑誌記事・論文、 専門書、ネットなどをひも解くことになる。その過程において、時に語彙拾いの観点からも、それらを繰り返し通読、あるいは熟読したりすることが、 辞典づくりの基本となる。英・西・仏・ポ語などの語学に接することが好きな方、語学力の向上に情熱を燃やし続けることをいとわない方が 期待される。国内外の新聞・論文・原書・基本書などやネットを紐解き、辞典や辞書を気軽に手に取って調べ読み解くこと、それが億劫 でなく、また語彙拾いを重荷に感じることなく、気長に楽しめることが何よりも大切である。

  海の語彙の大海は、新聞・雑誌記事、定期刊行物の記事・論文、専門の教科書や原書など、いたるところに無限大的に広がっている。 その大海にてゆっくりと気長に漕ぎ続け、辞典を編み続けるには、「海好き」と「語学好き」であることが、意外にも本質的に、より大切な要素と 言えるかも知れない。

  事に当たっては、「好きであることに優るものなし」。さらには「楽しむことに優るものなし」と言える。 「海好き」であればそれに優るものなしであるが、さらには、辞典づくりを「楽しめる」のであれば、それに優るものはない。 辞典づくりの日々の活動としては、少しでも海にまつわる語彙を一つ一つ拾い上げ、書き溜め、英・西・仏・葡語でなんというのか(その逆もしかり)、 地道に自問自答を繰り返しながら、ネットや語学辞書、百科事典、専門図書などで調べ、海洋辞典に新規に取り込んだり、アップデートすること が基本となる。海のいろいろなことを紐解き知ることを楽しむこと、それこそが辞典づくりの原動力と言える。 語学力、教育歴・職歴もさることながら、辞典づくりをいかに楽しむか、楽しめるか、自分なりの遣り方を思い巡らせ、気長に焦ることなく、 それにチャレンジし続けられることに確信をもてる方こそ、ベストなのかも知れない。辞典づくりを生涯にわたり楽しみ、それを通して 人生を豊かにできるという確信をもてる方を探し求めたい。

  最後に、蛇足になるかも知れませんが、もう一言加筆したい。海や船などにまつわる教育的バックグランドや就業履歴をおもちであり、しかも 海好きであるにもかかわらず、英・西・仏語などへの強い語学的関心がなく、また語彙拾いへの意欲・情熱が湧かない場合もありえます。 また、海や船などにまつわる教育的バックグランドや就業履歴を余り持ち合わせていなくとも、無類の海好き、しかも語学好きという 方もおられるでしょう。英語はすこぶる堪能であるが、他の西・仏・葡語の素養は全く無く、生涯学ぶつもりもない方もおられるかも知れない。また、 別のこだわりのある方もおられるかも知れない。事情は千差万別であり、全ての面で応募要件や要素を100%満たすことなどないかも知れない。 総合的に観てバランスの良い編さん者に辞典づくりの未来を託すことができれば、望外の喜びとするところです。

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