第7回 ニカラグア運河の夢 視察の旅 旅の記録
エル・ラマとブルーフィールズ/El Rama & Bluefields

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    1.日 時: 2009年8月8日(土)、9日(日)、10日(月) 、11日(火)

    2.参加者: 中内清文、木島久恵、R.糸数、M.森田、H.小野、N.唐澤

    3.旅の行程

    図1. 選定ルート図(GCINより)
      8月8日(土)
        08:30 首都マナグア(Managua) 出発
        12:30 エル・コラル(El Coral)の街を通過 ラマ川橋(Puente Río Rama)よりラマ川(Río Rama)との 交差点を見学
        14:50 コロニア・エル・ラマ(Colonia El Rama)  人道吊橋があるラマ川を見学
        15:15 コマルカ・エル・シレンシオ(Comarca El Silencio)の西方約1km先のエル・ハビージョ川(El Jabillo;  ラマ川の支流)を見学
            ラ・アルヘンティーナ農場(La Finca Argentina)まで到達。 国道7号線へ戻る
        17:20 ムエジェ・デ・ロス・ブエジェス(Muelles de Los Bueyes)にてミコ橋(Puente Mico)よりミコ川(Río Mico)を見学
        17:40 カラ・デ・モノ(Cara de Mono)辺りで、国道7号線の街道よりミコ川を見学
        18:30 エル・ラマ(El Rama) 到着

      8月9日(日)
        07:20 エル・ラマ(El Rama)港 出発 ラマ川(Río Rama)を遡る
        08:30 フーリオ・ブイトラゴ村(Julio Buitrago) 通過
        08:40 ラス・イグアナス村(Las Iguanas) 到着。 村を見学
        09:40 トーレ・アルタ(Torre Alta) 通過
        10:00 モビル村(Pueblo Mobile)付近のエル・サポ急流域(Rápido El Sapo)を通過
        10:10 キエブラ・ボタ村(Quiebra Bota)を通過、ここでラマ港へ向けて引き返す
        12:10 エル・ラマ港(El Rama) 到着
        14:30 エル・ラマのアンテナ山(102.8m) 登山開始
        15:00 登頂。 3河川(エスコンディード川(Río Escondido)、ミコ川(Río Mico)、ラマ川(Río Rama))の分岐点や市街を展望

      8月10日(月)
        07:30 エル・ラマ(El Rama)港 出発。 エスコンディード川(Río Escondido)を下る
        08:15 マホガニー川(Mahogany Creek)河口に到着。 遡上開始
        09:30 環境省監視所(Puesta de MARENA) 通過
        09:40 カーニョ・ネグロ(Caño Negro)周辺 到着。引き返しマホガニー川を下る
        10:40 マホガニー川河口 到着、エスコンディード川に戻り、ブルーフィールズ(Blue Fields)を目指す
        11:40 ブルーフィールズ(Blue Fields) 到着
        12:00 エル・ブルッフ(El Bluff)の港、海岸、街を見学
        14:00 エル・ブルッフ(EL Bluff) 出発
        15:00 ラマ・キー(Rama Cay)島 到着 見学
        15:30 ククラ川(Río Kukra) 到着、30分ほど遡上
        17:00 ブルーフィールズ(Blue Fields) 到着

        翌日11日(火)、首都マナグアへ戻る

    4.旅の目的

     2006年8月ニカラグア政府発行の下記文献「Gran Canal Interoceánico por Nicaragua《(GCIN)での選定ルートであるルート1、2、3が 通る地域の視察を行う。

    ・ 1日目は、ルート1、2、3の合流地点に近い位置にあるエル・コラル(El Coral)村周辺を視察し、周辺地形とラマ川(Río Rama) 上流部を観察する。
    この地域は、運河ルートの中で最も海抜が高く(70*100m)、また運河の水量を確保するためダム設置(閘門建設をも 含む)が必要となる重要なポイントである。
    ・ 2日目は、エル・ラマ(El Rama)からラマ川を遡上し、ラマ川とルート3との合流地点を観察する。
    ・ 3日目は、エスコンディード川(Río Escondido)を遡上し、ルート2であるマホガニー川(Río Mojogany)を遡上する。
    また、ブルーフィールズ周辺のエル・ブルッフ(El Bluff)やルート3のククラ川(Río Kukra)を再度観察する。



    5.視察結果 8月8日(土)

    5.1 エル・コラル(El Coral)周辺


    図2. 視察地域図

     運河ルート1、2、3が通過することになっているラマ川の上流域、エル・コラル(El Coral)村周辺を視察した。地点①のラマ橋から ラマ川を観察すると、下流側に小さな滝がある。乾季は水量が減り川底の岩が露出する。川幅は50m程度と広い。 水深は上明。

     また、付近の街道からラマ川方面を観察した(地点②)。街道からはラマ川は確認できなかった。 大きな隆起のないなだらかな低地がひろがっており、ラマ川が流れていると思われるところに谷が形成されている。

     コローニア・エル・ラマ(Colonia El Rama)村方面に進み、吊橋がある地点③まで行くと、ラマ川は小さな川程度で ある。雨季である現在でも、馬で人が川を渡っていた。川幅20m程度、水深は1m程度。川の両側に車の通過跡があるため、 乾季には川の水がほぼなくなり車の通行が可能となることが推測される。

     さらに進んだ地点④は、ラマ川の支流であるエル・ハビージョ川(Río Jabillo)との交点である。 その川幅は10m弱だったが、小さな橋が設置されている。橋梁上部の構造が、橋梁表面を川の水が覆うことが考慮された 形式になっているため、水量の増減による水深変化が激しいと推察する。


          写真1.エル・コラル中央公園              写真2.ラマ橋


       写真3.ラマ川 ラマ橋より下流側を望む    写真4.ラマ川 ラマ橋より上流側を望む


    写真5.地点②よりラマ川方向を望む


          写真6.地点③ 人道吊橋         写真7.地点③ ラマ川上流側を望む


       写真8.地点③ ラマ川下流側を望む    写真9.地点④ ラマ川の支流エル・ハビージョ川との交差点


     写真10.地点④ エル・ハビージョ川上流側を望む  写真11.地点④ エル・ハビージョ川 下流側を望む


    5.2 ムエジェ・デ・ロス・ブエジェス(Muelles de Los Bueyes)とカラ・デ・モノ(Cara de Mono)

    図3. 視察地域図

    ムエジェ・デ・ロス・ブエジェスおよびとカラ・デ・モノ付近の国道7号線からミコ川(Río Mico) を観察した。
    ミコ川は運河ルート1が通過するルート上にある。写真の通り、5月に視察した際と比べ水量が増えていた。
    ニカラグアには雨季と乾季があり、雨季は5月から10月、乾季は11月から4月までである。
    5月の視察時には、雨季に入ったばかりで雨量がまだ少なく、河原の砂利が見えるほど水量が少なかった。
    今回は増水して河原の砂利も覆われていた。乾季と雨季の水量の差が大きく認められた。


       写真12.ミコ橋よりミコ川の上流側を望む       写真13.ミコ橋よりミコ川の下流側を望む


                               写真14.7号線よりミコ川を望む

    6.視察結果 8月9日(日)
      エル・ラマからラマ川の遡上とアンテナ山より3河川の分岐点を観察

    6.1 ラマ川の遡上

    図4. 視察地域図

     エル・ラマからラマ川を遡上した。フーリオ・ブイトラゴ(Julio Buitrago)村やラス・イグアナス(Las Iguanas)村など、 川沿いにいくつかの集落があった。定期船もあり、集落の人々はこれを利用しエル・ラマへ出かけているようだ。

     ラス・イグアナス村に上陸し村を見学した。コンクリート製歩道が敷かれていたが、歩道がないところは泥土であった。 村の人の話では、乾季でもラマ川の水面は1m下がる程だとのことだった。年間通じて川水は保たれているようだった。 しかし、視察時の一週間前に大降雨があり、その際は川の水量が急増水し、水面が4*5m上昇したそうである。 そのため川辺の民家は床上浸水したそうだ。水量は極端に減ることはないが、急増することはあるようだ。

     さらに進むとトーレ・アルタ(Torre Alta)という地点がある。川岸は岩でごつごつしており大きな淵となっていて、 水深は80m以上とのことだった。

    モビル村(Mobile)の辺りから急流域にさしかかる。エル・サポ急流(Rípido El Sapo)では波しぶきが 激しく立っていた。運河ルート3がこのモビル村あたりでラマ川に取りつくことになるであろう。


       写真15.この小船で遡上開始    写真16.エル・ラマの港、アルレン・シウ(Arlen Siu)港


           写真17.港に停泊中の船           写真18.フーリオ・ブイトラゴ村


           写真19.ラス・イグアナス村 看板    写真20.ラス・イグアナス村 川岸の民家


           写真21.エル・サルト川 河口      写真22.トーレ・アルタ(淵、水深80m以上)


             写真23.モビル村          写真24.エル・サポ急流手前 先に丘が見える


           写真25.エル・サポ急流

    6.2 アンテナ山より3河川の分岐点を展望
     エル・ラマの市街地のすぐ近くにアンテナが立てられている小高い山がある(海抜102.8m)。
    この山に登り、三つの川の分岐点や 市街を観察した。頂上から眺めると、平地が目の前に広がっていた。


      写真26.ラマ川から見たアンテナ山


    写真27.三つの河川の分岐点 アンテナ山より南を望む 写真28.ミコ川上流方面(写真中央部にラマ港がある)


    7.視察結果 8月10日(月)

    7.1 マホガニー川(Mahogany Creek)遡上

    図5. 視察地域図

     エスコンデイード川から南へ伸びるマホガニー川(Mahogany Creek)を1時間強遡った。マホガニー川は運河ルート2の 経路である。
    川の両岸には家屋は少なく、ラマ川で見られたような集落は見られなかった。
    川幅は河口付近では40m程度で、遡るにつれ徐々に狭くなったが、両岸の様子はほぼ変わらない。


     写真29.マホガニー川河口 エスコンディード川より  写真30.マホガニー川遡上 いくつかの民家が建っている


      写真31.環境省 監視所(通過時点では無人)   写真32.カーニョ・ネグロ周辺 木々が生え茂る

    7.2 エル・ブルッフ

     ブルー・フィールズ沖の砂洲突端にある集落、エル・ブルッフを訪ねた(位置は図3.を参照)。海外からの船舶が停泊する 大きな港や海水浴場、集落がある。港には大きな船舶やたくさんビームトロール漁船が停泊していた。 海水浴場では現在雨季のため海水浴客は見られなかった。たくさんのテトラポットが置かれている。 エル・ブルッフの街にもたくさんの住民が住む。
    アメリカなどからの船舶の貨物がこの港で積み替えられ、エル・ラマまで運ばれるようだ。エル・ブルッフの沿岸・近海は ロブスター、エビなどの甲殻類の漁場としても良い場所だそうだ。


              写真33.ビームトロール漁船      写真34.エル・ブルッフの港


           写真35.エル・ブルッフ 海岸     写真36.エル・ブルッフ海岸 テトラッポト


         写真37.エル・ブルッフの町並み

    7.3 ラマ・キー島(Rama Cay)とククラ川(Río Kukra)

     ブルーフィールズ湾(Bahía de Bluefields)内のククラ川河口付近に浮かぶ島、ラマ・キー島 を訪れた後、ククラ川を30分程度遡上した(位置は図3を参照)。
    これらの場所は、5月にも訪れた(第2回旅の記録参照)。ククラ川は、5月遡上時に比べると 川の水が濁っていたが、現地の船頭によれば水量は年間を通じてほぼ変化しないそうである。


         写真38.ラマ・キー島の埠頭            写真39.ラマ・キー島 民家


          写真40.ラマ・キー島の井戸         写真41.ククラ川 30分ほど遡上


    8.その他気付いた点、感想
    ・ 運河ルート1、2、3の大西洋からのルートを川面から観察した。ラマ川での遡上では特に付近の小山に着目し、 堰の設置場所などを念頭に置いて観察したが、川面からでは観察域に限りがあり、地図上の丘と実際の丘を特定させるのが 困難なところもあった。

    ・ ミコ川では、雨季と乾季の水量の違いが明らかに認められた。また、エル・コラル周辺のラマ川においても乾季には 水量が大きく減少することが予測できる。

    9.今後の予定
    ・ 運河ルート1、2、3がニカラグア湖につながるオヤテ川(Río Oyate)付近の視察を行う。 周辺集落からの車道がないため、馬車などに乗っての視察となる。

    10.参考文献
    ・ Gobierno de Nicaragua, Comisión de Trabajo Gran Canal, Gran Canal Interoceánico por Nicaragua (GCIN): Perfil del Proyecto, Agosto de 2006.

    以 上
    (記録:木島)

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