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地球を西回りにて人類史上初めて世界周航を成し遂げた(1519-1522年)のは、スペインで編成され、ポルトガル人航海探検家
フェルディナンド・マゼラン(Ferdinando Magellan; 1480?-1521年)が率いる船隊であった。彼自身は航海途上のフィリピン・
マクタン島で世を去ったが、277名の乗組員のうち18名が世界周航を果たした。世界初の世界周航者としてはその名を残す
ことはなかったが、大西洋から、当時「南の海」とされていた大洋へのゲートウェイ、即ち「マゼラン海峡」にその名を残した。
そして、南米大陸はそのマゼラン海峡にて尽きことになる。
マゼラン海峡の南に位置する最大の島が、アルゼンチン領のティエラ・デル・フエゴ島 (Tierra del Fuego, 「火の大地」
という意味) である。
その島の南側にアルゼンチン最南端の港市ウシュアイア(Ushuaia)がある。ビーグル水道(Canal Beagle、Beagle Channel)に面する
海峡の町でもある。
ビーグル水道をはさんで南側に横たわるのがチリ領のナバリーノ島(Isla Navarino)である。同島以南にもチリ領のいくつかの
小さい島嶼が散らばるが、その島嶼の最南端にかの有名なホーン岬(Cabo de Hornos)がある。
ビーグル水道は全長約240kmにおよぶ海峡である。英国人チャールズ・ダーウィンが、英国軍艦「ビーグル号」に乗艦し、
足掛け5年間に及ぶ世界一周の探検航海を行った際の経路であり、同水道の名前はその軍艦名に由来する。
ダーウィンが乗艦した時の航海は、ビーグル号の探検航海としては2回目のものであった。1831年12月27日に英国デヴォンポートを出港し、
1836年10月2日にファルマスに帰還した。ダーウィンがビーグル号に乗り込んだのは弱冠23歳の時であった。
[参考] ビーグル号はバーク型3檣帆船で、排水量242トン、全長27.5m、全幅7.5m、吃水3.8m、砲6門の小型船であった。バーク型とは
前2本のマストに横帆、最後尾のマストに縦帆を装備する。
画像はウシュアイアの空港に着陸する直前のビーグル海峡風景である。ウシュアイアに着陸するに当たりにちょうどビーグル水道の
上空を東方から西方へと低空飛行した。
ウシュアイア沖の水道には数多くの小島や岩礁が散らばっている。眼下には、後に観光船で周遊することになる島嶼の Islas Bridges,
Isla Pajaros, Isla Lobos, Faro Les Eclaireurs (エクレリュール灯台) などが見える。
対岸に見えるのはナバリーノ島で、同島の海岸沿いに水道の航路帯がある。南半球での3月は夏の終わり頃ということになるが、
既に冠雪した山々が連なる。南極大陸へはウシュアイアから1000㎞ほどの距離にある。
[2014.3.10. ビーグル水道上空][拡大画像: x25899.jpg]
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