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南米アルゼンチン南部のパタゴニアと呼ばれる地域には、大西洋沿岸から南米大陸の背骨アンデス山脈の麓まで、不毛の地と
思いたくなるような荒涼とした大地が広がる。
画像の木造帆船は、そのパタゴニアの大西洋岸沿いにあるプエルト・サン・フリアン (Puerto San Juliánプエルト。プエルトとは
スペイン語で「港」のこと) という何の変哲もない小さな漁村において切り撮ったものである。片田舎のそんな漁村に何故この
ような大型帆船が復元され展示されているのか、という疑問が呈されるのも全く無理からぬことであろう。
実は、サン・フリアンはマゼラン船隊の世界周航上におけるゆかりの地である。世界周航の途上(1520年)において、マゼラン船隊は
このサン・フリアンの奥行きのある入り江に5隻の帆船を入湾させ、数ヶ月間越冬したことで知られる。奥行きが極めて深いことから、
冬期に南極方面からの吹きつける強烈な風とそれによる波やうねりをしのぐにはまたとない天然の避難場所であったであろう。
それに、船体を岸辺に引き揚げ、船底を「甲羅干し」して、貝殻などの付着物を掻き落とすには最適な場所になったに違いない。
ただ、サン・フリアンだけでなく、パタゴニア地域のいずれの地についても、当時にあっては食糧を十分に補給できるような
土地柄ではなかったに違いない。
* 参考: マゼラン船隊による世界周航の探検航海に関する略史
[2014.3.16-17 南米アルゼンチン、パタゴニア地域、プエルト・サン・フリアンの「ナウ船ビクトリア号博物館」Museo Temático Nau
Victoriaにて][拡大画像: x25900.jpg]
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