一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
航海探検家コロンブスの二つの立像 [キューバ・ハバナ] *
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首都ハバナの旧市街で見かけたコロンブス立像2体である。一つはフエルサ要塞(Castillo de la Real Fuerza)内の海洋博物館に展示される
ブロンズ製立像である(画像1&2)。銘板には、⌈クリストバル・コロン; ブロンズ、19世紀; 製作者:R.アトチェ、スペイン⌋
(Escultura de Cristóbal Colón; Bronce, Siglo XIX; Autor: R. Atché, España)と記されている。
もう一つは、同要塞と隣り合わせに建つ市立博物館 (Museo de la Ciudad; 旧総督官邸) のパティオ (中庭) に建てられたコロンブス
立像である(画像3&4)。 コロンブスは、1492年の第1回航海から4回にわたりスペインから大西洋を西航し、カリブ海に散在する多くの陸地を⌈発見⌋し、 また現在の中南米大陸にも到達しながら、その大陸は今日⌈アメリカ⌋大陸と称され、⌈発見者⌋の名誉を 授かることはなかった。 4回の探検航海で発見したそれらの地がインディアス(アジア)であること、チン (中国のこと) の東側にある海や、そこに存する ⌈黄金の国ジパンゴ⌋にも到達したと思い込み、それに固執していた。何故そう思い込んでしまったのか。ヨーロッパから ジパンゴへの東西距離を極めて小さく推算していたことが、彼にとって最大の誤算であったといえよう。そして、コロンブスは、 自らの手でその誤算を解き、その思い込みから自らを解き放つことは、終生できなかった。
[2015.2.2-17 カナダ&キューバの旅/2015.4.30 記] |