画像は、英国南部の海軍港市ポーツマスの歴史的ドックヤード地区(Portmouth Historic Dockyard)にて、2013年5月23日に切り撮った
ものである。
画像(上)の黒い建物は「木製の宝石箱」という愛称をもち、海底から発掘された英国軍艦「マリー・ローズ号」船体や
その人工遺物を収めた博物館である(なお、その右側の船は、1805年にトラファルガーの戦いにおいてフランス・スペイン連合艦隊に
勝利した英国のネルソン提督座乗艦「ビクトリー号」である)。
画像(下)はマリー・ローズ号の模型である。なお、「マリー・ローズ号博物館 Mary Rose Museum」が開館したのは、訪問の1週間後の
5月31日のことであった。
英国軍艦「マリー・ローズ号」は1510~1511年にかけて、時の国王ヘンリー8世の命によりポーツマスのロイヤル・ドック
ヤードにて建造された。
ローズ号は、フランス艦隊 (43年後に対峙するスぺイン艦隊よりずっと強大であった) による対英侵攻を迎え撃つためにポーツマスから
出撃したものの、1545年7月19日にポーツマス沖で沈没した。沈没理由はいくつもあるとされる。だが、その理由が
確定することは今後もないと見られている。事実の一つは500名が命を失ったということである。
ローズ号は、1971年に、英国本土のポーツマスとそのすぐ対岸に位置するワイト島 (The Isle of Wight) との間のソレント海峡
(The Solent) の海底で発見された。
その後11年間にわたり発掘され、1982年には船体半分が引き揚げられた。艦内からはチューダー朝の人工遺物19,000点以上がこれまで
引き揚げられてきた。
また、2017年までは、「ホット・ボックス (Hot Box)」という特殊な高度保存技術をもって船体の乾燥が続けられるという。
「木製の宝石箱」を模した館棟の中心にローズ号の船体が収められている。同艦甲板と同じ高さで艦を取り囲むように接続されている各階の
ギャラリーから展示を観ることができる。何千点にも及ぶ遺物は艦内の元あった場所でそのままに展示されている。
歴史的軍艦を莫大な経費と労力をもって丁寧に調査・発掘し、保管・展示する英国の国家的努力と熱意に頭の下がる思いである。
[2013.5.22-24、英国ポーツマス・ヒストリック・ドックヤード Portmouth Historic Dockyard にて][拡大画像: x25570.jpg]
[拡大画像: x25565.jpg]
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