一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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名古屋海洋博物館の展示概要
[2020年9月訪問]

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 画像Aは、南極観測船「ふじ」と、名古屋海洋博物館が所在する「名古屋港ポートビル」(画像右の白帆をイメージする白亜の建物; 最上階に 展望室がある)を写している。
 博物館では、各種の大小模型、ジオラマ、パネルなどの展示、模擬装置などによって、大航海時代の歴史・文化、海を通じた交易、海賊話し、 名古屋港発展の歴史、港湾の役割や機能、海上輸送システムや海運現況などを紹介する。
 ポートビル一階の待合・休憩室には菱垣廻船の「熱田丸」の模型が展示される。また、屋外岸壁では、南極観測船「ふじ」が係留され船内巡覧ができる。 岸壁沿いの「ふじの広場」には「ふじ」の錨・スクリュー、中型雪上車、タロ・ジロの像などが展示される。




博物館内での主な展示は次の通りである。

● 「船の歴史」: 船の模型とパネルによる船の変遷史を紹介する。いかだ、丸木舟、エジプトの船、ギリシャの船、ローマの商船、バイキング船、ダウ船、三角帆の船、 サンタ・マリア号、キャラック船、ゴールデン・ハインド号、ヴィクトリー号、ガレオン船、戦列艦、クリッパー、カティ・サーク号、汽帆船、黒船 (サスケハナ号)、明治丸(内燃機関の鋼鉄船)など。

「海を通じた交易」:  大型略地図「海のシルクロード それは陶磁器の道でした」の下で、陶磁器、サンゴ・べっ甲・螺鈿細工、 真珠・ガラスなどの宝飾品、漆器・香辛料・生糸などの交易品、祭礼用の乳香・じゃ香・沈香(じんこう)の他、甘松(かんしょう)・貝香 (かいこう)・丁子(クローブ)・メース・スターアニス・ナツメグ・胡椒・シナモン・ショウガ・ターメリック(ウコン)などの香辛料、 アンフォラなどの輸送・貯蔵用容器を展示する。
・ パネル展示「壮大な海上交易ロマン」、「海上交易の主役は陶磁器」。
・ アンフォラのいろいろ。
・ キプロス島沖合海底から発掘された2300年前の古代交易船「キレニア号」の模型。

● 大航海時代の帆船模型と「季節風と潮流にのって-大航海時代」: 大航海時代の始まり、「地図が無い」、凪と嵐、乗組員の反乱、 私掠船と海賊の恐怖、食糧事情、先住民との戦闘、壊血病などのテーマ別解説。また、「大航海時代の食事」に関する展示もある。

● 「海賊と私掠船」: 海賊の人物図絵と解説/フランシス・ドレーク(1543-1596)、ヘンリー・モーガン(1635-1688)、エドワード・ ティーチ(黒髭)(?-1718)、フランシス・ロロノア(1635-1667)、アン・ボニーとメアリー・リード(18世紀初頭・生没年不明)、 ウィリアム・キッド(1645-1701)、バーソロミュー・ロバーツ(1628-1722)。

● 大航海時代の航海士など: ヴァスコ・ダ・ガマ、クラウディオス・プトレマイオス、マルコ・ポーロ、エンリケ 航海王子、バルトロメオ・ディアス、クリストファー・コロンブス、フェルディナンド・マゼラン、ジェームズ・ クック。

● その他 (1)
・ 模擬ブリッジ(船橋)、コンテナのガントリークレーンの操縦シミュレーション、名古屋港操船シミュレーター、その他原寸大の 浚渫グラブバケット (レプリカ)、コンテナターミナル模型、伊勢湾シーバース模型、17-18世紀頃のインドの港町の想像模型など。
・ 御座船「義丸」の大型模型、はしけ船の大型模型、名古屋港のはしけ大型模型、各種の小型模型→ ジャンク船、遣唐使船、浚渫船「スエズ」、プッシャーボート、 LNG船、自動車専用運搬船、RoRo船、コンテナ船、原油タンカー、客船、押航船、 2代目「日本丸」の模型など。ボトルシップのいろいろ。船大工道具。
・ 尾張の「宮」宿と伊勢の「桑名」宿の間の「宮の渡し(七里の渡し)」のジオラマ、常夜灯模型 [注]宮の渡し: 現在の熱田区神戸町 宮の渡し公園付近。
・ 「韃靼図(だったんず)」(オルテリウスの1589年製作および1570年製作(実物)の図、「世界地図」(複製; 1587年オルテリウス製作)、 プトレマイオスの古地図。
・ 航海器械(アストロラーベ、六分儀)、大砲など。

● 名古屋港関連
・ 昭和初期の名古屋港の唯一の大型船接岸可能な桟橋(ガーデン埠頭の前身)模型。
・ 築港と「ろせった丸」のパネル展示、「ろせった丸」模型。
・ 昭和34年伊勢湾台風の被害(死者・行方不明4,600余人、船舶沈没・流失2,300隻弱)を示すジオラマ。
・ 名古屋港にまつわる主な出来事年表(1907年~2011年)。
・ 名古屋港の発展の変遷をたどる資料と写真、「名古屋丸」模型。
・ 名古屋港の貨物取扱の紹介。
・ 伊勢湾における海運パネル。
・ 名古屋港の姉妹港提携について。

● 港湾と輸送
・ 「船の入港から出港まで」: 税関、検疫(対人)、植物・動物検疫、荷役作業、手かぎのいろいろ。
・ コンテナの種類、輸送システムについて。
・ 「船を観察してみよう」。
・ 浚渫について。
・ 海賊問題について。
・ 日本海運の現状、海洋基本法について。

● その他 (2)
・ 「督乗丸」の漂流と船頭重吉に関するパネル展示。
・ 中川運河の紹介パネル。
・ 干拓の歴史、江戸時代の新田の干拓について。
・ ロープワークの模型、ロープの結び方と組みひもについて。
・ 海・船・港などにまつわる図書・雑誌の書架と閲覧コーナー。


● 観測船「ふじ」の船内展示(ふじは1965年から18回、日本と南極を往復した)
・ 船内施設を巡覧できる。また、船内では「砕氷艦」としての特殊な船構造、観測隊員の職務や生活などをパネル展示で紹介する。
・ 船内には「南極の博物館」("Fuji" Antarctic Museum)があり、アムンゼン、スコット、白瀬らによる南極探検への挑戦の歴史、 白瀬矗の生涯と南極探検、南極における観測の現況と成果、オゾンやオーロラ観測、隕石の収集活動、氷のボーリングと解析などの 科学調査などを紹介する。
・ 白瀬隊長の探検船「開南丸」の模型や氏の旅券、南極の氷や隕石、雪上車(KC20-35)の展示 、「宗谷(PL107)」・「ふじ(5001)」・ 「しらせ(5002)」・「しらせ(5003)」(二代目)の模型と船舶要目・活動概要などの説明。



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1. 菱垣廻船の「熱田丸」。
2. 昭和初期の名古屋港唯一の大型船接岸可能であった「鉄桟橋」の模型。
3. 御座船「義丸」の模型(模型縮尺:1/10)。尾張藩主徳川義直の名の一文字をもって名付けられた。

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4. キプロス島沖合海底から発掘された2300年前の古代交易船「キレニア号」の模型。
5. 大航海時代の帆船模型。
6. 黒船(サスケハナ号; 1950年建造、2,450トン)


[撮影年月日:2020.9.23/撮影場所:名古屋海洋博物館(Nagoya Maritime Museum)][拡大画像: x28861.jpg]






日本の歴代の南極観測船
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1. 名古屋海洋博物館のすぐ傍の名古屋港ガーデン埠頭に係留・一般公開される南極観測船「ふじ」(南極の博物館)の
船内には、歴代の観測船の模型や事績紹介パネルなどが展示される。 [拡大画像: x28935.jpg]

歴代の南極観測船の主要目比較表
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2. [拡大画像: x28999.jpg]






名古屋海洋博物館 [画像撮影2010.9.21/出典:名古屋海洋博物館](2010年訪問時の特選フォト4葉)

陶器に描かれた古代ガレー船/ギリシャ・サントリーニ博物館蔵 [名古屋海洋博物館]

古代フェニキア船のレリーフ/シリア国アルワード島の博物館蔵 [名古屋海洋博物館]

古代ギリシャの船乗りのレリーフ/ギリシャ・アテネのアクロポリス博物館蔵
[名古屋海洋博物館]

トルコ共和国ボドルム水中考古学博物館 [名古屋海洋博物館]


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