海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, 平和の灯台Faro de la Paz, マナグアManagua, ニカラグアNicaragua

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

Back to: Top Page | 特選フォト⌈海&船⌋目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ


⌈平和の灯台 (el Faro de la Paz)⌋

中米の国ニカラグアではソモサ一族による親子3代42年間におよぶ独裁政権が続いたが、1979年7月19日に ソモサ政権は崩壊した(後にサンディニスタ革命と呼ばれる)。
その崩壊後、革命政権時代が1979-1990年まで続いたが、それは内戦の時代でもあった。
ソモサ独裁政権の崩壊後に樹立された「反ソモサ・革命政府」と1980年代初頭からソモサ体制時代における国家警察隊 のメンバーを中心とする「コントラ」(反革命政府武装右派ゲリラグループ)との間で武力闘争が繰り広げられ 内戦状態となった。

「コントラ」は立場の違ういくつかのグループの寄せ集めで、その最大公約数は革命政権への対峙であり、それは 米国の利害とも一致するところであった。
1981年米国レーガン政権の成立後は、米国による「コントラ」への支援によって内戦は激化した。
他方、革命政権の代表格であったダニエル・オルテガ (Daniel Ortega) が1984年の国民選挙で大統領になった。
1987年8月にはいわゆるコンタドーラグループによるラテンアメリカ域内の和平努力が実り、ことニカラグア内戦につき 中米和平合意が成立した。

そして1988年にはサンディニスタ政府と「コントラ」との間で武装解除などのいわゆるサポア合意に至った。
1990年2月に大統領選挙が実施され、「サンディニスタ民族解放戦線 (FSLN)」党のダニエル・オルテガ大統領は大方の予想に 反して敗退し、ヴィオレータ・チャモロ (Doña Violeta Barrios de Chamorro) が当選しリベラル的な政権が発足した。

ここにおおよそ10年間におよぶ革命政権時代に幕が閉じられた。
その後、「平和の灯台」がチャモロ大統領政権のイニシャチブの下で建設され1996年に落成した。
その灯台の基礎には、革命政権・コントラ側双方の兵士らによって放棄された何千という兵器類が集められ葬られている。
この灯台は国民融和と国内平和の達成を記念し、またそれへの願いを込めて建立されたモニュメントである。
灯台は、マナグア旧市街にある国立宮殿(国立博物館)や、1972年の大地震によって廃墟となったカテドラルのすぐ近くである。
モニュメントの作は建築家ネルソン・ブラウン (Nelson Brown) によるものである。
[2009][拡大画像: x21628.jpg]

1 2
3

1. 国立宮殿(Palacio Nacional)や廃墟のカテドラルは、この道路 (Av. Pedro Joaquín Chamorro チャモロ大通り、通称 "Carretera Norte") をはさんで斜め向かいにある。 [拡大画像: x21629.jpg]
2. 1972年の大地震で廃墟となったカテドラル。骨組み・外壁はかろうじて残されているが、内部は全くの廃墟である。  [拡大画像: x21630.jpg]
3. 国立宮殿そばのボリバル大通り(Av. Bolívar)を少し北に行くと共和国広場(Plaza de la República)がある。その一角にある「音響の貝 Concha Acústica」と称される巨大野外ステージがある。  [拡大画像: x21631.jpg]

辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館-中米・ニカラグア
・ ニカラグアの海のある風景 [2] [2007-2009]


Back to: Top Page | 特選フォト⌈海&船⌋目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ