一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
「奴隷の家」&「帰らざる門」
西アフリカのセネガル共和国・首都ダカールから3kmほどの沖合いに浮かぶ大西洋上の「ゴレ島」。東西300m、南北900m
ほどの極小さな島である。(下の小画像1) かつて大西洋奴隷貿易の拠点の一つとして栄えていた歴史がある。 島内には、かつて奴隷の収容や「積み出し」に使われていた「奴隷の家」が残されている。 その「奴隷の家」は1777年にオランダ人によって建てられた中庭をもつ、海辺沿いの家である。 「奴隷の家」の建物の正面2階はオランダ人の住居で、一階は奴隷を収容する狭い部屋になっていて、男の部屋・女の部屋・ 子供の部屋などに分かれている。いずれの部屋もごく小さな窓しかなく暗い。それらの部屋には何十人もの奴隷たちが詰め 込まれた。(下の小画像2) そして、奴隷たちは最後には海辺に通じるこの小さな扉を抜けて船へと「積み込まれ」て行った。これがその 「帰らざる扉」である(上の大画像)。この扉を通って船に乗せられた奴隷たちは、二度と生きて故郷の地を踏むことはなかった といわれる。
アフリカ一般概説書「アフリカから学ぶ」(有斐閣、2010年出版、12ページ)によれば、「最近の研究では、1519年から1867までに
1106万人がアフリカから奴隷船に乗せられたと推定される (Eltis [2001])」。
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