一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
見分けてみよう! 「同槽異夢?」のコクチバス&オオグチバス
「埼玉県立・川の博物館」での面白い水槽風景。コクチバス (Micropterus dolomieu) と
オオクチバス (Micropterus salmoides) とが仲良く「同棲」する。
展示解説パネルによれば、ともに北米原産でサンフィッシュ科である。オオクチバスは、1970年代に釣りを目的とした意図的な放流で
全国各地に分布が広がったとされる。コクチバスは、1990年代より北関東や東北南部などの河川・湖沼で、オオクチバスと同様な
理由によって広がった。
また、荒川流域では、オオクチバスは農業用ため池や湖沼などで多く、他方コクチバスはダム湖や流れの緩やかな河川に多く、
在来生物種への被害は広く及んでいると考えられている。
埼玉県立・川の博物館: 本館では、「荒川と人々のくらしとの関わり」をメインテーマにした展示がなされる。 鉄砲堰、船車(ふなぐるま)、荷船などの大型模型、ウナギを捕獲するための筌(うえ)などの漁具の展示。埼玉県内では観賞用金魚 の養殖が盛んであるが、その歴史や品種に関する展示。屋外では、実物の水車小屋、および博物館のシンボルである巨大水車 (水輪・すいりんの直径23m) の展示。また、荒川 (全長173km) の源流(甲武信岳)から東京湾までの本流沿いの地形の大型 立体模型 (縮尺1000分の1) などが展示される。 また、博物館に「渓流観察窓」(いわばミニ水族館)が併設されており、県内の河川・渓流、湖沼に生息する各種の淡水魚を観察できる。
2012年3月10日~5月6日、春期企画展として「世界の運河・日本の運河」が開催された。原理上パナマ運河と同じ閘門式である
見沼通船堀(埼玉県内の所在)の模型、スエズ運河の拡張・増深用浚渫船の模型、若いころパナマ運河の測量・設計に携わり、
帰国後は荒川放水路の建設工事責任者となった技師・青山士に関するパネルなど多数展示された。 |