一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
荒川でのウナギ
荒川の人工河川域や都市河川域では、ウナギ・ナマズ・コイ・フナなどを捕って売っていた。浦和の秋ヶ瀬堰から、東京湾の河口までは、
湾から上がって来るボラ、スズキなどの海魚も捕れる。川が深いために船を操りながら、筌(うけ)、ナガナワ(長縄)、置き針などを使った
魚捕りや、海の満ち干を上手に利用した⌈建て干し網漁⌋(たてほしあみりょう)も行われた [参照: 説明パネル]。 筌は、細く割った竹を円筒形に編んで作った細工で、トラップ(一種のわな)として水底に沈め魚などを捕る道具である。 ウナギ捕獲用の筌の中に餌を入れ、いくつもの筌を縄に一定間隔で結び付け、それを川底に沈めて置く。ナガナワはいわば一種の底延縄で、 先端に針を付けた枝縄を等間隔をもって幹縄に結び付け、川底に沈めてウナギを捕獲する。幹縄には木片などの浮きをつけておく。 [2012.4.28 埼玉県立川の博物館にて][拡大画像: x24566.jpg]
[参考]
/pot: n.ポット、瓶(びん)、壷(つぼ)、鉢; [魚・エビ・カニなどを捕る]かご、筌(うえ)(うけ)、魚とりかご. /pound: n.やな(→ weir)、立て網; 生け簀; おり、囲い. /pound cage: n.筌(うけ)の種類の総称、堰筌. /pound net: n.簀立(すだて)、[水中に張って、魚を捕る]立て網、張切り網 [漁獲用]、[網地を用いた]えり、壷網、桝網(ますあみ). /pound net with a cube-shaped bag: 方形の魚捕網がつけられた桝網(ますあみ)の類. /stop: n.[長袋網などの]漏斗(ろうと)網、円筒形で網製の筌(うけ)の漏斗. /wrasse pot: n.瀬魚を捕獲する筌(うけ). [参考]wrasse[発音:ラス]: n.(pl. wrasses, wrasse)[魚]ベラ、遍羅、ベラ科の海産魚 [スズキ亜目ベラ科の魚類の総称; ベラ類の総称; その代表格のキュウセンを指すことが多い; キュウセン・ササノハベラなど主なものが30種ある(→ Labrus属)]. |
1 2 1. ⌈ガラヒキ⌋の様子。荒川の源流・河岸段丘・扇状地域では、イワナ・ヤマメ・アユ・ウグイなどを捕って 売っていた。源流域に棲息するイワナやヤマメは普通竿釣りだが、簡単な筌(うけ)、梁(やな)も使われた。川幅の広くなる河岸 段丘・扇状地域では、アユの友釣りやウグイのイシグラ漁など、魚の習性を利用した魚捕りがあった [参照: 説明パネル]。 画像1のように、いくつもの小さな細長い板を縄に取り付けた⌈ガライタ⌋ (画像2の最右) と呼ばれる細工でもって流れを円く 取り囲み、その中へ投網して魚を捕獲する。 [拡大画像: x24567.jpg] 2. 左から⌈モジリ⌋、⌈ヤマメド⌋、⌈ガライタ⌋。 [拡大画像: x24568.jpg]
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